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「幕末バトル・ロワイヤル」野口武彦

2023年03月23日 07時21分46秒 | 読書(幕末/明治)


「幕末バトル・ロワイヤル」野口武彦

人気シリーズ、第1弾。
天保の改革から黒船来航あたりまでを振り返っている。
よく調べている、面白い。

P66
日啓とは何者であろうか。大奥に深く食い入った怪僧であった。
なにしろ、日啓はお美代の方の実の父親なのだ。
(ほとんどラスプーチン状態)

P90
いわゆる「天保の改革」は、天保12年(1841年)5月15日、12代将軍家慶の上意として示された布達からスタートする。(中略)
高価な品物の売買を禁じたのである。売れなければ物価は下がると見た。信念から生じる思い込みの力は恐ろしい。忠邦の姿にはどこか、非常な経済法則に素手で立ち向かっているようなところがある。

P172
担保を取らずに金を貸すのを「素金」(すがね)といって、今のサラ金と同じで利子が高い。幕命で利率の限度は15パーセントと定められていたが、もちろん守られない。50パーセントや60パーセントはザラで、需給関係次第でいくらでも跳ね上がる。中でも「座頭金」が一番高利で、なんと100パーセントが公認されていた。(闇金ウシジマくんでも、50%なのに!)

P223
国が亡びるのはアッという間である。
徳川家康の創業から250年にわたる無戦争を世界に誇ってきた江戸幕府は、ペリー来航からわずか15年でガタガタッと崩れてしまった。
福地桜痴は『幕府衰亡論』の中で、その原因は三つあったといっている。①京都に奏聞したこと。②水戸斉昭を顧問にしたこと。③諸大名に和戦の評議をさせたこと。

【ネット上の紹介】
徳川幕府の生き残りを懸けたイチかバチかの天保改革が、幕末の幕を切って落とした―。改革失敗、経済混乱、飢饉に火事に異国船、未曾有の事件が頻発する中、虚々実々の駆け引きに翻弄される幕府首脳の姿は、青雲の大志と権力欲が渾然一体となった政治の現実を教えてくれる。尊王攘夷・倒幕開国のうねりが押し寄せる直前、黒船来航までを、さまざまな名珍場面でたどる、既成史観ではわからない幕末政界権力争奪史。
第1部 天保政怪録(老中願望
セクハラ大名
三方領知替え
怪盗日本左衛門 ほか)
第2部 嘉永外患録(大江戸金融事情
火元争い
ワンポイントリリーフ
イケメン宰相 ほか)

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