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「旅ごころはリュートに乗って 歌がみちびく中世巡礼」星野博美

2020年10月23日 18時32分05秒 | 読書(エッセイ&コラム)
「旅ごころはリュートに乗って 歌がみちびく中世巡礼」星野博美

星野博美さん最新刊。
前作「みんな彗星を見ていた」の姉妹編に当たる。
「みんな彗星を見ていた」を読んだ方は、ぜひ手にとって欲しい作品。

P170
セビーリャでもアルカサルを訪れた。このアルカサルは、ミュージシャンのPVのロケ地に使われたり、アメリカのテレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の一場面に登場したりする、モーロ〈北アフリカのイスラーム〉文化と中世ヨーロッパが融合した大変美しい建造物である。(セビーリャは観光客で大混雑だったそうだ。ところが、ヘレスはシェリー酒とアンダルシア馬が有名だけど、観光客が少なく、モスクやハマム跡が素晴らしかったそうだ・・・マラガから近いので、スペインに行ったらぜひ訪問したい気分だ)

P223
長い時代と広い地域をカバーするカンティガでは、それが隣町に住むイスラーム教徒であろうと、ビザンツ帝国を苦しめたアラブ人であろうと、オリエントで頭角を現し始めたテュルク人であろうと、モロッコのベルベル人であろうと、ざっくり「モーロ」と表現する。

P234
ノートル・ダムは訳せば「我らが淑女」で聖母マリアを意味する。つまり『ノートル・ダムの奇跡』はカンティガと同じく、まさに聖母の奇跡集なのだ。

P291
「サントス」は聖人を指していたのか。そして「御作業」とは生涯だったのか・・・・・・。つまりこの本は、聖人伝だったのである。


【ネット上の紹介】
我ら、死に向かって急ごう、罪を断ち切ろう…“死の舞踏”が脳裏に踊った時代、人は何に心のよりどころを求めたのか?リュートに魅せられ、時空を超えた旅に出た。舞台はルネサンスから中世へ、やがてキリスト教の深淵へ―。
グリーンスリーヴス(イングランド民謡)
ピーヴァ(ヨアン・アンブロージオ・ダルツァ)
千々の悲しみ(ルイス・デ・ナルバエス)
死に向かって急ごう(『モンセラートの朱い本』)
天にあまねく我らが女王よ(『モンセラートの朱い本』)
死の舞踏(ハンス・ホルバイン)
聖母マリアの七つの喜び(カンティガ一番)
聖母の御業に驚くなかれ(カンティガ二六番)
コンスタンティノープル包囲(カンティガ二八番)
コンスタンティノープルを守った聖母のイコン(カンティガ二六四番)
右手を斬られたダマスコの聖イオアン(カンティガ二六五番)
モーロ王の嘆き(グラナダのロマンセ)
マラケシュを救った聖母の御旗(カンティガ一八一番)
気がふれたホスピタル騎士団の修道士(カンティガ二七五番)
殺されたユダヤ人の子ども(カンティガ四番)
ユダヤ人に汚されたキリストの像(カンティガ一二番)
囚われ人は決して(「獅子心王」リチャード一世)
聖人と福者
サントスの御作業
日本の殉教伝
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