「ルポトランプ王国 もう一つのアメリカを行く」金成隆一
いったいなぜ、トランプが選ばれたのか?
いまだによく分からない。
その回答の手助けになるかと読んでみた。
トランプを応援し選んだ地域に出むいて1人1人インタビューしていった記録。
P35
ジョーが理解に苦しむのは、若者を取り巻く環境だ。「大学を出る時に既に10万ドル(1150万円)の借金があって、満足な仕事も見つからないなんで、どうなってるんだ?オレは高校卒業の前から稼いでいたぞ」
トランプは州立大学で集会を開いた…それに参加した久保文明・東大教授のコメント
P136
「小話の連続や、根拠の乏しい話を50分も聞かされるのは、なかなかつらいですね」
【感想】
トランプの主張は2点。
①自由貿易はよくないと攻撃
②不法移民への攻撃
…でも、これって自由の国アメリカの建国理念に抵触するのでは?
トランプ自身移民の子孫なのに。
「地球温暖化は中国の陰謀」なんて言ってる人間ってどうなのよ、って問題がある。
本当にそう信じているなら、その頭脳に疑問がわくし、
フェイクと分かって言っているなら、嘘つきである。
どちらにしても、ろくでもない。
しかし、ここで次の点を考える必要がある。P227
今回の選挙では、権威主義的なトランプが、移民や難民、イスラム教徒らへの排外主義的な主張を繰り返した末に当選したという点だ。自由、民主主義、多様性の尊重、言論の自由、機会の均等など、アメリカが大切にしてきた理念を語ろうとしない人物。
トランプを応援した地域は、中間層の没落著しいという特徴がある。
エスタブリッシュメント(既得権層)に対する、中流層の憎しみ。
クリントンが選ばれなかった理由もそうだと思う。
トランプは憎しみを巧みにあおり、利用した、と。
【参考リンク】
「トランプ現象とアメリカ保守思想」会田弘継
「激震!セクハラ帝国アメリカ」町山智浩
「さらば白人国家アメリカ」町山智浩
「宗教国家アメリカのふしぎな論理」森本あんり
「アメリカと宗教」堀内一史
【ネット上の紹介】
なぜトランプなのか?ニューヨークではわからない。アバラチア山脈を越えると状況が一変した。トランプを支持する人々がいた。熱心な人もいれば、ためらいがちな人も。山あいのバー、ダイナー、床屋、時には自宅に上がり込んで、将来を案ずる勤勉な人たちの声を聴く。普段は見えない、見ていない、もう一つのアメリカを見る。
第1章 「前代未聞」が起きた労働者の街
第2章 オレも、やっぱりトランプにしたよ
第3章 地方で暮らす若者たち
第4章 没落するミドルクラス
第5章 「時代遅れ」と笑われて
第6章 もう一つの大旋風
第7章 アメリカン・ドリームの終焉