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「裸足で逃げる」上間陽子

2017年05月17日 19時39分33秒 | 読書(沖縄・八重山)


「裸足で逃げる」上間陽子

沖縄の方は、温和な方が多い、と思っていた。
普通にDV男がいるし、暴力団もいるし、暴走族もいる。
DVを受けて、「裸足で逃げる」女性たち。
彼女たちに寄り添った記録である。

P6
私たちは生まれたときから、身体を清潔にされ、なでられ、いたわられることで成長する。だから身体は、そのひとの存在が祝福された記憶をとどめている。その身体が、おさえつけられ、なぐられ、懇願しても泣き叫んでもそれがやまぬ状況、それが、暴力が行使されるときだ。そのため暴力を受けるということは、そのひとが自分を大切に思う気持ちを徹底的に破壊してしまう。

P77
沖縄の非行少年たちには、先輩を絶対とみなす「しーじゃー・うっとう(先輩と後輩)」関係の文化がある。

堕胎手術3日後にキャバクラに出勤した京香
P182
客のすすめる強い酒を飲むと、京香はすぐに出血した。
だが京香はその席を退席しなかった。自分にその席につくように言ったボーイに、
「ナプキン買ってこい!走って買ってこい!」というと、ボーイが買ってきたナプキンで処置を済ませてもう一度その席に戻り、今度はその客を酔いつぶした。

【ネット上の紹介】
沖縄の女性たちが暴力を受け、そこから逃げて、自分の居場所をつくりあげていくまでの記録。
まえがき―沖縄に帰る
キャバ嬢になること
記念写真
カバンにドレスをつめこんで
病院の待合室で
あたらしい柔軟剤 あたらしい家族
さがさないよ さようなら
調査記録

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