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「八月の六日間」北村薫

2014年08月22日 21時31分38秒 | 読書(小説/日本)


「八月の六日間」北村薫

先日、「山女日記」を紹介した。→「山女日記」湊かなえ
本作品は、それに近い内容。
つまり、「限りなく日常に近い山」を描いている。
日常の延長線にある山・・・でも、日常とは異なる「お出かけ」。
微妙なところを描いている。

日々仕事をしていて、ふと山に思いをはせることがある。
逆に、山の中を歩いていて、日々の雑務を思い出すこともある。
すぱっ、と切替は難しい。
そんな感じの山行が描かれる。

様々な山行が描かれるが、毎回、ヒロインが悩むシーンがある。
どの本を持って行くか、と・・・。
重くなるだけなのに、持って行かざるを得ない気持ち。
それは、よく解る。

P231
疲れるのでは――という予感がある。本も読めない気がする。しかし、書籍は常備薬と同じだ。手の届くところに活字がないと不安になる。

【おまけ】1
「山女日記」の湊かなえさんと比べて、本作の北村薫さんの方が、
山の知識も経験も上、と感じた。
どちらが、おもしろいか?
・・・「山女日記」の方が、面白く感じた。
山の実力と、作品の面白さは比例しないようだ。
しかし、淡々と描写される本作は、水彩画のような味わいで、
人によっては、こちらが良い、と感じる方がいるかもしれない。
表紙もなんとも良い感じ。

【おまけ】2
『あずさ2号』の歌が話題になる。P188
「8時ちょうど」とは、朝なのか、夜なのか?
どうも、朝のようだ。

【おまけ】3
飛行機に乗るときも、どの本を持って行くか悩む。 
一番印象に残っているのは・・・ 「離愁」(多島斗志之)かな。
角川文庫<br> 離愁 

【ネット上の紹介】
40歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。ひたむきに仕事をしてきたが、生来の負けず嫌いと不器用さゆえか、心を擦り減らすことも多い。一緒に住んでいた男とは、3年前に別れた。そんな人生の不調が重なったときに、わたしの心を開いてくれるもの―山歩きと出逢った。四季折々の山の美しさ、怖ろしさ。様々な人との一期一会。いくつもの偶然の巡り合いを経て、心は次第にほどけていく。だが少しずつ、けれど確実に自分を取り巻く環境が変化していくなかで、わたしは思いもよらない報せを耳にして…。生きづらい世の中を生きる全ての人に贈る“働く山女子”小説! 

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