企画した市民団体「にこにこ千葉」によると、「屋台村」に出店するのは、カレーやギョーザなどの飲食を提供する移動販売車のほか、アクセサリーやネイルサロンの屋台など約40店舗。
きっかけは、同団体メンバーで、コーヒー豆の卸会社を経営する藤代雅直さん(42)(花見川区)が「移動販売車でカフェを出店したい」と言い出したことだった。藤代さんから相談を受けた千葉銀座商店街振興組合の理事を務める野口由布子さん(40)が「屋台村」構想を思いついた。
市内では空き店舗の解消が課題となっている。同市産業支援課によると、今年3月現在、市内の93商店会のうち、空き店舗は580にのぼり、増加傾向にある。
同市は今年度、空き店舗を利用する起業者に有利な条件で融資する制度を創設したが、利用はゼロ。同市幹部は「空き店舗のオーナーが見知らぬ人に店を貸したがらないのも一因」と漏らしていた。
野口さんは「本気で出店したい人を集めて空き店舗を紹介すれば、将来的に『借りたい人』と『貸したい人』を結び付けることができる」と考え、市や周辺の商店街に協力を求めた。
一方、藤代さんは千葉マリンスタジアム周辺などを回って、移動販売車で出店している店主らに声を掛けた。市内のリサイクル店駐車場などでトルコ風串焼き「ケバブ」を販売している山本晃司さん(同市中央区)もその1人。山本さんはショッピングモールなどで「店を出させてもらえないか」と、頼んでも門前払いされることが多かった。「人通りの多い場所でやらせてもらえるなら、ありがたい」と、参加することにした。
市もブース設置 「屋台村」では、市もブースを設け、開店を希望する人に融資制度や空き店舗情報を紹介し、支援する。野口さんは「やる気のある人に集まってもらうことで、地元経済が活性化されるはず」と期待している。
初回は千葉国体の開催に合わせ、9月29日から5日間。また、10月22日以降も第2、4金曜に開催する予定で、営業時間は午後4時~同10時。問い合わせは同市産業支援課(043・245・5277)へ。