質問がありました。「第1回 問9ですが、未出題の論点を肢3と肢4の二つとされたのは何か意図があったのでしょうか。」
出題意図について、お答えします。
未出題を出す意図は、もちろん当てたいということもありますが、民法の考え方の基礎をマスターしてほしい、またできるからなのです。
実は、民法でもっとも大事にしないといけないことは、「本人の意思の尊重」(納得していたかどうか)なんです。これだけでも身につければすごいことです。
例えば、契約はなぜ口約束で成立するのでしょうか。
その知識を単に覚えれば試験では受かります。
しかし、それだけでは応用力はつきません。
そして、民法で一番大事にしているものを吸収しないといけないかなと思っています。
この模試の狙いは、4回でできればそれを味わってほしいという意味で、特に未出題の問題を出してもいます。
先ほどの口約束は、もうおわかりですね。
やはり本人の意思の尊重(納得をしているのだから)をすべきだからです。
もちろん、保証は民法では唯一契約では例外として、書面を要求しているのですが、だからそれも大事ですね。
それは、本人の意思を尊重すべきだけど、一方で簡単に認めるとかわいそうな面もあるから少し慎重にさせようという親心です。
そうすると、この感覚で肢3をみると、相続というのは、偶然であり、相続人は、相続したことを知らないかもしれません(宅建業法でも、大事な知識として出てきますね)。
そうであれば、単に相続があったことから不利益を受けたのでは、その人の意思を尊重できません。
それが、判例でいっている「知っていれば」それはしょうがないんじゃない?ということなのです。
肢4は、応用力です。
まず、類似の根抵当権は過去多く出ています。
そこでは極度額は大切です。
つまり無限大に負うといっているから、その意思を尊重すべきかに見えますが、いやいやちょっとかわいそうではないか。
妥当な結論の追求も必要ではないか。
という感覚も併せ持っているはずですから、制限を設けるということです。
その状況は根保証でも同じじゃないか、と大胆に類推して判断してほしかったのです。
きっと、4回分解いていただければ、もちろん解説込みでですが、そのような感覚を身につけて、本試験に挑戦していただけると思います。
そのような思いで作問しました。
では、また。
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