一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

作礼山系・897ピーク ……煌びやかな紅葉の森と、厳かなブナの森……

2011年11月23日 | 作礼山
11月13日(日)に作礼山に登った時、
ついでに、作礼山のとなりにある標高897mの無名峰(通称897ピーク)にも登った。
その時の私のブログを見たリーフさんから翌日メッセージが入った。

以前、リーフさんも897ピークに登ろうとしたことがあったとか。
樹木に詳しい知人から、
897ピークにブナの大木があると聞いたことがあり、
それを見つけに行こうとしたのだそうだ。
でも、途中でトレースが途切れていた為に、
ブナの木には逢えなかったとのこと。
その後も何度か作礼山に行く機会があったけれど、
897ピークには登ることができずに今日に至っている……
〈897ピークのブナに、いつかは逢いたい〉
と思っていたところ、
私のブログを見て、
897ピークにブナらしき木の写真があってビックリしたのだそうだ。

リーフさんからメッセージをもらって、私は、
実は、リーフさん以上に驚いた。
なぜなら、自分が写真に撮った木がブナだとは知らなかったから……(爆)
まさか標高900mにも満たない作礼山系の山に、
ブナの木があるとは思わないもの……ね。
「あれはブナの木だったのか~」
と、仰天し、近いうちにもう一度行って確認しようと思っていたところ、
リーフさんから再びメッセージが入った。
「もしよければ897ピークのブナの観察会をして頂けませんか?」と。

私も行きたいと思っていたので、すぐに快諾。
今日(11月23日)の作礼山系・897ピーク山行が決まった。
参加したのは、リーフさん、ミーちゃん、お母ちゃん、yanさん、タクの5名。
今日の天気は、雨のち晴れ。
午前中は雨のようなので、
雨雲が通り抜けてしまう(と天気予報が言っていた)午前10時半に、
作礼山9合目駐車場に集合とした。
下界は雨は降っていなかったのに、
9合目駐車場に着くと、ガスに覆われ、時折雨も降っている。
まだ雨雲が通り過ぎていないようなのだ。
晴れるまで、中腹にある「環境芸術の森」で紅葉狩りをしようということになり、
車で移動した。


この「環境芸術の森」は、
大きい声では言えないが、(笑)
「九年庵」よりも紅葉がスゴイのだ。
以前、私の姉や叔母を連れて、
「九年庵」と「環境芸術の森」の両方を案内したのだが、
ふたりとも、
「『環境芸術の森』の方が断然イイよ」
と言っていた。
私もそう思う。(笑)

この「環境芸術の森」は、
お母ちゃんとyanさんは初めてだとか。
〈驚く顔が見たい〉
と先に立って案内する。

ねっ、スゴイでしょ。


大胆な美だけでなく、繊細な美もある。


まるで誰かが落葉を石の上に置いたとしか思えないような……
でも、自然が創り出した美。


沢が流れ、


その淵にある羊歯植物まで紅葉している。


紅葉のトンネルを抜け、


上へと登っていく。
背後に見えているのは、作礼山。


登り着いた場所から見下ろすと、このような風景が広がる。
言葉が出ない。


曇っていた空から、太陽の光が差し込んでくる。
すると、紅葉が一段と燦めく。


目に眩しいほどに……


目に痛いほどに……
鮮やかな色が目に飛び込んでくる。


ゆっくりと下りながら、


黄葉で目を休める。(笑)


紅葉と柿の木との共演、いや競演。


とても贅沢なひとときを過ごさせて頂いた。


車で9合目駐車場へ向かうが、
途中、途中で車を停車させ、
花や風景を楽しむ。
もうスミレが咲いている。


ツクシミカエリソウを発見。
花期は過ぎているけれど、その存在が確認できた。
リーフさん、大喜び。


車道沿いでも、ご覧の紅葉。
ただ車で通過するだけではもったいない。


9合目駐車場に着くと、まだガスに包まれていた。
正午になったので、897ピークに登る前に昼食。
ジュンサイ池の方へ移動する。
幻想的な雰囲気の登山道。


色とりどりの落ち葉を踏みしめ、


池のそばにある四阿へ。


リーフさんからは、ハム・チーズ・タマゴサンドや柿を、
ミーちゃんからは、コンソメスープやぜんざいを、
お母ちゃんからは、珈琲を、
yanさんからは、佐世保のお菓子をいただいた。
とても美味しかった。
みなさん、ありがとうございました。



ランチが終わり、少しの間、散歩する。
コマユミの赤い実がカワイイ。


池の周囲の紅葉もなかなかのものだ。


豪華絢爛な紅葉を遠くから見るのも好いが、
枝にぽつんとある葉を、
近くで見るのも悪くない。
これはヤマボウシの葉。
芸術作品だ。


フユノハナワラビや、


ツルリンドウの実や、


ツチグリなどを見ながら、9合目駐車場に戻る。


さあ、いよいよ897ピークへ。


登ろうとすると、小雨が降り出した。
雨に濡れるブナの森へ、いざ出発。
ここから入って行く。


ゆっくり登って行く。


急斜面にさしかかったところで、ブナの木が現れる。
みなさん、大喜び。


真下まで行き、見上げる。
堂々とした存在感。
さすがブナの木だ。


登山道から外れた場所にあるので、気をつけながらトラバース。


足許には、ブナの葉が……


少なからぬブナの木を確認し、


満ち足りた気持ちで897ピークへ。
山頂の石柱にタッチ。
全員、登頂。


再び、ブナの木を見ながら下山し、
本日の山行を終えた。


「環境芸術の森」の紅葉や、
897ピークのブナの森を楽しんだだけではなく、
いろいろな珍しい植物の植生も確認することができ、
とても有意義な一日であった。
これから作礼山系に来るのが本当に楽しみになった。
リーフさん、ミーちゃん、お母ちゃん、yanさん、
ありがとうございました。
また近いうちに、どこかの山で……

帰路、9合目駐車場から少し下った場所で車を駐め、
897ピークを眺める。
9合目駐車場から見たときには、
小さな山にしか見えなかった897ピークであるが、
ここから見ると、
存在感のある堂々とした大きな山として見ることができる。
あのV字形に見える紅葉谷も、いつの日か歩いてみたい。

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