一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

登吾留山 ……シライトソウの咲く森では、ゆっくりとした時間が流れる……

2009年06月04日 | 登吾留山
昨日は仕事を終えるとそのまま佐世保の実家に行き、泊まった。
夜中に頻繁にトイレに行き、その度に私に話しかけてくる母の相手をしていたら、すっかり寝不足になってしまった。
今日は正午頃家に帰ってきた。
そのまま寝ようかとも思ったが、それでは今日という一日がなんだかもったいない気がした。
近くの里山にでも登ろう……そう思って準備をしている時、先日山友から教えてもらったシライトソウの咲く山のことを思い出した。
最近は日が長いし、今から行けば間に合うだろう。
佐賀県内にあるその登吾留山には、シライトソウの群生地があるという。
私はシライトソウが大好きで、その清楚な花をとても愛している。
5月下旬から6月の初旬にかけては、私の休日は詰まっていて、今年シライトソウを見るのは無理だろうと諦めていた。
今日が唯一のチャンス。

やっと登吾留山にたどり着き、シライトソウの群生地を探し当てた。


素晴らしい~!


美しい~!


シライトソウという名が、なによりも素敵だ。


学名Chionographis japonicaは「雪の筆」の意。


シライトソウをヨーロッパに紹介したスウェ-デンの植物学者ツンベルク(C.Thunberg)の「日本植物誌」(1784年)が初出とか。
「雪の筆」という学名も美しい。


シライトソウの花言葉は、《ゆっくりとした時間の流れ》
シライトソウの咲く静かな森の中では、時はたゆたうように僅かに動くだけだ。


シライトソウの群生地の周囲には、野いちご(クサイチゴ)の赤い実がたくさん……


草にすわり、野いちごを食べながら、シライトソウを愛でる。
こんな贅沢を味わえるなんて……至福のひととき。


咲ききりし白糸草の花むらに白光噴けり風立つらしも(関根榮子)

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8 コメント

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ファッションショー (タク)
2009-06-07 03:00:05
ミーちゃんへ

>ようこそ・・メルヘンの世界へ!
>みたいな感じですね。

あんなにたくさん咲いているとは思いませんでした。
本当に、メルヘンの世界に迷い込んだようでした。
こんな体験ができたのも、ミーちゃんの情報のお陰です。
ありがとうございました。
 
>色々なポーズで被写体になっている、モデルさんの様な感じさえします。

清楚なウエディングドレスのファッションショーを見ているようでしたよ
 
>タクさんにだけピンクの姿を見せたりなんかして・・ズルイデス

じっと見つめられて、恥ずかしくて頬を染めたのかもしれません……

>タクさんのズームの野いちごはツブツブまでバッチリで・・何時もながら関心いたします。
>美味しそうなこと~

この時期、野いちごや木いちごをたくさん食べられるのがイイですね~
くいしん坊だから山に行く楽しみのひとつです。

>八幡岳のチゴユリの情報有難うございました。
>楽しみが増えました。

昨年の春見つけて写真に撮りました。
本当に小さくてカワイイですね~
大好きです
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ようこそ・・メルヘンの世界へ! (ミーちゃん)
2009-06-06 23:59:53
みたいな感じですね。 
色々なポーズで被写体になっている、モデルさんの様な感じさえします。 
エータクさんにだけピンクの姿を見せたりなんかして・・ズルイデス
タクさんのズームの野いちごはツブツブまでバッチリで・・何時もながら関心いたします。
美味しそうなこと~
八幡岳のチゴユリの情報有難うございました。
楽しみが増えました。
返信する
草にすわるだけで… (タク)
2009-06-06 18:17:29
yanさんへ

>>今日という一日がなんだかもったいない気がした
>母上様の介護 毎回お疲れ様です。頭が下がるお思いです。
>お疲れのなかに、「もったいない」のお気持ちが先になり、あの希少品種のシライトソウの群生する山に…

せっかくの休みなので、自分のために時間もちょっと必要かな……と。
自然に触れると疲れも癒されるしね。

>タクさんの近くの山に希少品種のシライトソウが自生しているのですね。
>羨ましい限りです。

私も知らなかったのですが、先日教えて頂いて、さっそく見に行ったというわけです。
佐賀県内ではシライトソウの目撃談はあまり聞かないので、かなり貴重ではないかと……

>>草にすわり、野いちごを食べながら、シライトソウを愛でる。
>>こんな贅沢を味わえるなんて……至福のひととき。
>よかったですね。なによりと思います。

草にすわるだけで心が落ち着くし、
野いちごは美味しいし、
シライトソウは美しいし、
……もう言うことないですね

>真っ白のシライトソウと真っ赤なノイチゴ よく似合いますね。

赤と白のコントラスト、自分で言うのもなんですが、絶妙ですね。
野いちごと言えば、先日のリーフさんの手作りの野いちごジャムのパン、美味しかったですね。
私も来年は、野いちごのジャムを作ってみようと思っています。
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至福のひととき (yan)
2009-06-06 09:36:47
お早うございます。

〉今日という一日がなんだかもったいない気がした
母上様の介護 毎回お疲れ様です。頭が下がるお思いです。
お疲れのなかに、「もったいない」のお気持ちが先になり、あの希少品種のシライトソウの群生する山に…

タクさの近くの山に希少品種のシライトソウが
自生しているのですね。羨ましい限りです。

〉草にすわり、野いちごを食べながら、シライトソウを愛でる。
〉こんな贅沢を味わえるなんて……至福のひととき。
よかったですね。なによりと思います。
真っ白のシライトソウと真っ赤なノイチゴ よ
く似合いますね。  


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美しい~ (タク)
2009-06-05 05:05:40
リーフさんへ

>タクさんに見てもらえてシライトソウも喜んでいることでしょう。

あまり知られていない場所のようですから、シライトソウも人恋しくなっていたかもしれません。
ちょっと探しましたが、すぐに見つかり、なんだかシライトソウに呼ばれているように感じました。

>時間の経過とともに、花姿が少しずつ変化しています。

私が見に行った時が一番良かったかも……と思っています。
本当に糸のように白く細くなってました。
美しかったです。

>一直線に延びた、しかも茎がピンク色のシライトソウ~初めて見ました。

やはり時間の経過がそうさせるのでしょうか?
花を終える最後の印かもしれませんね。
それともそういう種があるのかな?
花はいずれも似ているようで、微妙に違っています。
見ていて飽きませんね。
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ゆったりとした時間 (タク)
2009-06-05 05:02:21
お母ちゃんへ

>>そのまま寝ようかとも思ったが、それでは今日という一日がなんだかもったいない気がした。
>>私はシライトソウが大好きで、その清楚な花をとても愛している。
>タクさん逢いにいかれましたね、画像の何枚ものシライトソウがお疲れの身を清々しく癒し
>暫し花言葉のごとくゆっくりとした時間を与えてくれたことでしょう
>逢いに行ったタクさんに

昨日がラストチャンスと思い、行ってきました。
そして、はやり、行って良かったです。
素晴らしい群生地でした。
本当に、時が止まったように感じました。
野いちごを食べながら、ゆったりとした時間を過ごさせてもらいました。
やはり自然の中に身を置くと、リラックスできますね。
癒されます。
疲れも吹っ飛びました。
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よかった~ (リーフ)
2009-06-04 23:49:32
タクさんに見てもらえてシライトソウも喜んでいることでしょう。

時間の経過とともに、花姿が少しずつ変化しています。

一直線に延びた、しかも茎がピンク色のシライトソウ~初めて見ました。
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登吾留山 (お母ちゃん)
2009-06-04 23:29:42
>そのまま寝ようかとも思ったが、それでは今日という一日がなんだかもったいない気がした。
>私はシライトソウが大好きで、その清楚な花をとても愛している。

タクさん逢いにいかれましたね、画像の何枚ものシライトソウがお疲れの身を清々しく癒し
暫し花言葉のごとくゆっくりとした時間を与えてくれたことでしょう
逢いに行ったタクさんに   
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