Linux(Ubuntu,Mint,CentOS,Raspberry Pi)でX Windowでのリモートデスクトップを試す-何故そうするか編
いつもアクセスありがとうございます。匠技術研究所の谷山亮治です。
今回は「UbuntuでX Windowでのリモートデスクトップを試す-何故そうするか編」です。
Microsoft WindowsのProfessionalやServer版には「リモートデスクトップ」機能が備わっています。この機能を使うと、遠隔地のWindowsの画面を、手元のPCやタブレットに表示することができます。これはたいへん便利な機能で、私も持ち歩いているWindows PC、LinuxPC、iPadなどで事務所のMicrosoft Windows 7 Professionalデスクトップを呼び出して日々使っています。
見かけ、同じような機能を実現する"VNC"というソフトウエアも著名です。このソフトウエアはWindows、Mac OS X、Linux、その他で利用することができます。このソフトウエアは各種OSのデスクトップを相互に呼び出すことができるので、とても便利です。Microsoft Windowsの場合はProfessional版でなくても接続できるようになります。
UNIX/Linuxのグラフィカルなデスクトップを実現しているミドルウエアは"X Window System"です。これはMicorosoft Windowsのリモートデスクトップ登場以前から普及していた技術でUNIXでは業界標準として広く使われています。X Windowは元々ディスプレイサーバー(遠隔のディスプレイを表示している手元のPCで動く)とディスプレイクライアント(遠隔にディスプレイを送る側=ハードウエアとしてのサーバー側で動く)に明確に分離して設計されており、一台のUNIXに多数台のディスプレイを接続して使うことができます。Linuxも同じX Windowを使っているので、X Windowを適切に設定すれば、一台のLinuxをLANやWANで結んだ複数台から複数ユーザーで使うことができます。
実は1990年前半に、このX Windowの仕組みを使って、多人数でのソフトウエア開発環境を私が企画し、UNIXサーバーとともに実装しました。当時は、X Windowとその上のディスクトップソフトウエアの標準化の途中で幾つかの課題はあったものの、コストパフォーマンスの良い開発環境を構築することができていました。
今の社内でも、開発関係者が一台の高性能サーバー上のデスクトップを複数人でそれぞれが自分の目的のために使うことができればとても便利です。Linuxデスクトップや開発環境を個々に管理する必要がありません。今流行りのMicrosoft WindowsのVDIのLinux版です。ネットワーク環境やハードウエア処理能力が向上しているだけに、きっと使いやすくなっているだろうという算段です。
さらに多様化する開発環境を一元管理し、手元のデスクトップPCから、様々なデバイス上のLinuxにアクセスし、ソフトウエアの開発はパワフルなハード上で行い、実装は数種類のLinuxやRaspberry Piなど、適材適所で行うことを目指しています。
引き続き、紹介していきます。