高橋義孝・訳 新潮文庫 1912年
ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画
「ベニスに死す」の原作である。
アシェンバハは50過ぎのおじさんだ
が、美少年タドゥツィオに魅せられて
しまう。その頃、コレラが流行っていて
アシェンバハはコレラに冒されて、死んで
しまう。
トニオ・クレーゲルのような独自の理論を
振りかざさない分、文章は分かりやすくなっ
ている。
文体の中を自由に泳ぎ回って、楽しめた。
ノーベル文学賞をマンさんは獲っているら
しいが、やはり、その価値は充分あるようだ。
文章自体は難解だが、ぼくはおもしろいと思
って夢中で読んでしまったが、今の文学に
親しんでいる人にはなんじゃこりゃ的な文章
なんだろうな。
反ナチスのドイツ文学者として有名でもある
ということだ。
(読了日 2023年12・17(月))
(鶴岡 卓哉)