古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

寄り添って老後  沢村貞子

2025-02-27 10:30:40 | 本の紹介

新潮文庫

 

わたしの脇役人生の読後、古本屋で見つけて

 

買ったもののなんかあったような気がして、

 

古本の蔵書を視ると、装丁のバージョン違いで

 

二重買いをしてしまったようだ。装丁が違うから

 

気付かなかったようである。

 

これで沢村氏は三冊目。八十歳を過ぎたある日、

 

夫が海の見える家で老後を過ごしたら、慾のない

 

暮らしを出来るだろう、と云うようなことを言った

 

ので、沢村さんは一大決心をして、引っ越しをし

 

ましょう、引っ越しは大っ嫌いらしいが、愛する

 

ダンナがそう言うのだから、そうしやしょう、と

 

ばかりに真夏の盛りに湘南のマンションに引っ越す

 

ことに。庭木など何本か持って来たが、気になる木

 

もある。寄り添って死後と云う文章を、ダンナの

 

大橋恭彦(おおはし・やすひこ)氏が書いているが、

 

書いて直ぐ亡くなったらしく、その死後に貞子さんが

 

またのあとがきを書いていらっしゃる。何もしなかった

 

人生と振り返っておられるが、いやいや、あなたは人の

 

何倍もの仕事をなさいましたよ、と葬送の言葉を贈り

 

たくなった。

 

(読了日 2025年1・24(金)17:50)

                (鶴岡 卓哉)

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