ちくま文庫 2003年
”ボケ”を題材に、これほど流ちょうに語れるとは驚きである。
本人はボケているとおっしゃっているが、、文章はよどみなく
巻末の中嶋有のお父上(初めて知った)のニコニコ堂の店主の、
素人と比すると、数倍文章が巧いのがわかるようになっている。
ボクが好きだったのは納屋、納屋、というエッセイで、こぶしの
木がなくなって、淋しい思いをしていると、農家の庭先に大きな
こぶしの木があって、切ってしまうと言うのを、ノンコという女
性が、「これ、私が買う。私のお金で買う」と叫ぶ。
そして、自分の引っ越しした庭先に植えるという、実に粋な話だ。
小林秀雄賞受賞。
”ボケ”を題材に、これほど流ちょうに語れるとは驚きである。
本人はボケているとおっしゃっているが、、文章はよどみなく
巻末の中嶋有のお父上(初めて知った)のニコニコ堂の店主の、
素人と比すると、数倍文章が巧いのがわかるようになっている。
ボクが好きだったのは納屋、納屋、というエッセイで、こぶしの
木がなくなって、淋しい思いをしていると、農家の庭先に大きな
こぶしの木があって、切ってしまうと言うのを、ノンコという女
性が、「これ、私が買う。私のお金で買う」と叫ぶ。
そして、自分の引っ越しした庭先に植えるという、実に粋な話だ。
小林秀雄賞受賞。