古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

神も仏もありませぬ    佐野洋子

2018-11-02 12:47:05 | 佐野洋子
ちくま文庫   2003年


”ボケ”を題材に、これほど流ちょうに語れるとは驚きである。


本人はボケているとおっしゃっているが、、文章はよどみなく


巻末の中嶋有のお父上(初めて知った)のニコニコ堂の店主の、


素人と比すると、数倍文章が巧いのがわかるようになっている。


ボクが好きだったのは納屋、納屋、というエッセイで、こぶしの


木がなくなって、淋しい思いをしていると、農家の庭先に大きな



こぶしの木があって、切ってしまうと言うのを、ノンコという女


性が、「これ、私が買う。私のお金で買う」と叫ぶ。


そして、自分の引っ越しした庭先に植えるという、実に粋な話だ。


小林秀雄賞受賞。






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