講談社文庫 2013年 「妻が椎茸だったころ」所収
ここで問題になってくるのはHの作為性という問題。ハクビシン
の墓参りをして、速攻Hって、ないんじゃないか。あまりに唐突
過ぎてびっくりした。違和感しかない。ハクビシンを飼う、って
のも妙だ。そんな人いないんじゃないか。
設定その他、いろいろなところがガタピシ破綻していはしないか。
でも、こういう破綻している小説を好んでいる読者層もいるらしい。
でも、ぼくは読み物として破綻しているのは、いささか問題がある
んじゃないか、と思っている。
問題はいささかもない、と読むのは無神経のような気がする。そう
思って読んでみると、これまで読んできた「五つの短編」はどれも
いささか問題を抱えていたようだ。逆にそれがこれらの短編の魅力
となっているようにも感じたことも確かだ。
(読了日 2022 8・25 9:03)
(鶴岡 卓哉)
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