古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ネオ・ヌルの時代 PART1    筒井康隆

2024-08-03 01:37:46 | 小説の紹介
中公文庫   1985年

SF同人誌「NULL」に寄せられたショート

ショートのいろいろを掲載している。

その批評も大いに勉強になるし、いろいろ

な方のショートショートにかける情熱は刺激

になった。

実はぼくもショートショートというか短編を書くんだが、

それは誰にも見せたことはなく、批評されたことすらない。

いつか日の目を見せてあげたい、とは思うが、

どうなるか分からない。この本の中に収められている

「逃げる」というかんべむさし氏の短編は突然……

結婚したばかりの夫婦の住む地域にナチスが

時空を超えて、攻めて来る、というのを

綿密な筆致で描いていて面白かった。

もうひとつ「侵略者」真城昭氏の作品は、その

世界観、魔物たちや、魔女王モリス、妖精たち、

などが。この世界観面白いなあ、と思えた瞬間

だ。とても刺激に満ちた一冊だった。    

(読了日 2024年7.3(水)23:50)
              (鶴岡 卓哉)    

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本の運命 井上ひさし

2024-08-01 14:40:55 | 本の紹介
文春文庫 1997年

本についての本っていうのが、ぼくはとても

好きであり、この本も、2010年75歳で

亡くなった井上氏の本に対する姿勢を大いに

伺える本となっている。


ぼくは本を線引きしたりして、汚すのがムリで

本に書き込んだことは一度としてないのだが、

ひさし氏は赤線で線引きすることを薦めている。

これは確かにと思ったのは、遅く読むと速く読める

という理論。じっくりと丁寧に読めば読むほど、

速く読めるかもしれない。

井上氏の家には13万冊の蔵書があり、自宅が

壊れたというのはあまりにも有名な話だ。

山形の方にその13万冊をつかって、図書館を

つくったらしい。

ひさし氏の幼少時代から大学生くらいまでを語って

いて、面白く読める。野球がお好きだったらしいね。

映画も映画館に行き、高校時代毎日観ていたという。

その捻出したおカネは、図書館の本をうっぱらったり

いろいろな悪さをしていたらしい。

75歳とは、ちょっとまだ若かったね。

(読了日 2024年6・28(金)0:46)
               (鶴岡 卓哉)

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