むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

赤い人(吉村昭)講談社文庫

2015年04月20日 | 読書

北海道開拓の黒歴史の記録です。

小さなエピソードの積み重ねで北海道開拓の深層をえぐっていきます。

囚人たちを強制労働させ原野を切り開いていくのですが、恐ろしいほどの死亡率の高さから、死刑の方がマシと思ってしまいました。

看守たちは、囚人に温情をかけることを禁止されており、囚人達の憎悪が脱獄や反抗に発展、情け容赦ない罰則にさらに憎悪が憎悪を呼ぶ悪循環の中、双方に殺し殺されの関係のままに進展していきます。

ほんとうに日本の話なのか疑いたくなる内容です。

小説としては主人公不在で取っつきにくいですが、北海道開拓の闇を理解する上で、読んで損はないでしょう。


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