MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『百花』

2022-10-18 00:50:38 | goo映画レビュー

原題:『百花』
監督:川村元気
脚本:川村元気/平瀬謙太朗
撮影:今村圭佑
出演:菅田将暉/原田美枝子/長澤まさみ/岡山天音/河合優美/永瀬正敏
2022年/日本

「不完全さ」の人間味について

 主人公で音楽レーベルの企画担当の葛西泉が現在携わっているプロジェクトがバーチャル・アイドル「KOE」の開発で人口知能による究極のアイドルを売り出そうと目論んでいるのだが、そのプロジェクトは上手くいかなかった。それはもちろんもう一方で泉が対処しなければならない認知症を患っている母親の百合子と対比させるためであり、「学習」したことを失いつつあったとしても母親が母親であることは疑い得ないというメッセージを持たせようとしているのである。
 「完璧」なものに魅力はないというのがプロジェクトから得た教訓だと思う。それは決して認知症を患っているから不完全だということではなく、健常者である泉でも忘れていることはあるということは本作で描かれている通りであり、記憶を補うことでお互いを理解し合うというのが理想のような気はするし、それが「半分の花火」が暗示することではあろうが、どうやら30代らしい泉は実の母親のことを余りにも知らなさ過ぎると思う。
 個人的には百合子が二人の少女に何度も注意する演出など悪くはないとは思うが、策に溺れているような感じである。百合子が買い過ぎた卵を冷蔵庫の中に見つけた泉が全部捨ててしまうのだが、もったいないと思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/crankin/entertainment/crankin-11484410


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『犬も食わねどチャーリーは... | トップ | 『LOVE LIFE』 »
最新の画像もっと見る

goo映画レビュー」カテゴリの最新記事