と言ってもクリアしたのは九月なので一月は経ってます。
各項目ごとに劇中で明かされた真相について書いてきます。
ネタバレ注意
・アイオニオン
その正体は『ゼノブレイド』と『ゼノブレイド2』の世界が衝突した瞬間、静止してしまった世界。
もともと1つの世界が分裂して誕生した「巨神と機神の世界」と「巨神獣界」は元の1つの世界に戻ろうとする働きによって融合しようとする。
お互いの世界の物質が融合すると「消滅現象」という一種の対消滅を引き起こし、消えてなくなってしまう。
そこで互いの世界の住人たちは「メリア」と「ニア」による談義のもと、「オリジン」と呼ばれる、肉体や記憶を保存しておき世界の消滅後に再生される巨大なバックアップ装置を開発。
しかし世界が消滅する「交わりの日」に「メビウス」と呼ばれる存在が世界を静止させ、オリジンのシステムを掌握。
結果オリジンを起動させる計画は失敗し、アイオニオンと呼ばれる中途半端に融合した世界だけが残り、メビウスとオリジンの存続のために永い時の中ケヴェスとアグヌスの戦争が続いている。
未来の無い閉ざされた世界。
・オリジン
交わりの日に備えて2つの世界で半分ずつ開発された、世界や生命情報のすべてが保存されたバックアップ装置。
世界の消滅後に起動して世界を再生し、消滅した瞬間から再開される仕組みだったが、メビウスの介入により未起動に終わる。
メビウスにその機能を掌握され、無限に兵を造り出し戦わせることに利用される。
・メビウス
その正体はオリジンに保存されていた意識によって発生した存在。
交わりの日の瞬間、「消滅したくない」という恐怖や生きたいという願いが具現化した存在、またはその力を後天的に付与された人間であり、世界を静止させてアイオニオンで無限の輪廻を生みだす。
・ウロボロス
メビウスと同様に「生きたい」という願いからオリジンを発端とするウロボロス・ストーンによって変化した姿。
ただ、ここで言う生きたいという願いはメビウスのように恐怖によって停滞した永遠にとどまることを指すのではなく、「前に進む」という本来の生の在り方を意味している。
ただしそれはアイオニオンという世界の消滅をも意味しているので、メビウスと同じようで正反対でもある。
言い換えれば結果的に「消滅への意志」でもあるのでメビウスの「生きたい」という願いには敵わないとして、「メビウスの出来損ない」と序盤で言及された。
・黒い霧
消滅現象の前兆として発生する。メビウスをもってしても止められない現象らしく、これによってアイオニオンは緩やかではあるが消滅し続けている。
一度不活性化させて任意の場所で消滅現象を発生させる「アナイアレイター」という兵器も登場しある程度制御は出来ていたものの、消滅現象そのものを無くすことは出来ていなかった。
この霧が発生している場所ではメビウスの「瞳」による索敵が機能しなくなる。
・ラッキーセブン
ノアが所持していた剣で、誰も破壊できない命の火時計を破壊でき、アイオニオンのあらゆる物質を斬ることができる。
普段はブレイドを鞘として格納されている。
その正体は遥か昔に7人のノポンの刀匠によって作られた、オリジンの金属を起源とする剣。
物語後半、本当の意味でこの剣を抜いたとき、「終の剣」として覚醒。シリーズお馴染みの「意志を以て断つ剣」へと変化する。
・ゼット(ラスボス)の目的
ラスボスの正体はオリジンに集積された人々の消滅への恐怖。そのため世界を静止させ「永遠の今」を守ろうとする存在であり、それ以外に目的はない。
「ただ在ること」だけを望みとし、そのために「理の外に出ようとするもの」がいない世界、つまり戦うこと以外考えられない兵士だけをオリジンを使って生み出しケヴェスとアグヌスを延々と戦わせている。
・物語の結末
自分たちの恐怖そのものであるメビウスを打倒したことによりオリジンが起動。
世界は正しい姿に戻り、仲間たちと別れ、世界は消滅した瞬間から再開。
一瞬の中の永遠に閉じ込められた世界は消え去り、2つの世界の日常に戻るも、最後に笛の音が聞こえ…。
真相については簡易的に説明するとこんな感じです。
「未来の無い閉ざされた世界」が「ゆっくりとではあるが着実に消えていってる」という部分も『1』と『2』の世界の設定の融合ではないかと思っています。
それと、ラスボス戦後にも言及されますが、大元のメビウスは決して悪者というわけではなく、「生きたいから運命に抗う」「消滅から世界を守る」という強い意志によって己の戦いを貫いていただけであって、
理由だけ見ればあらゆる作品で主人公サイドが行ってきた「運命に抗する」「守る」というものと同じなので強大なのも頷けます。
しかし同時に小者でもあります。というのも発端は恐怖という負の感情に屈し永遠というものに逃げ込んだわけですから、引きこもりは主人公には勝てませんよねそりゃあ。
(メビウス本体はオリジンに保存されてる意識な以上、主人公らの意志も含まれてはいるのですが)
メビウスにもいろんな思惑の者がいて個性もあります。自分が管理してたコロニーの面々に情が移ってしまった者や、気に入った若者が10年しか生きられないこの世界を嘆いてメビウスでありながらメビウスに反旗を翻す者とか、やはり元は人間なんだなということを再認識しました。
「消えたくないという理由で命の破壊と再生を繰り返す」、「正体が人間の意志」というのも『1』のザンザ、『2』のメツとそれぞれのラスボスの設定が融合している気がします。
以下からは意見が分かれてたり、ハッキリ語られていない部分の考察になります。
・アイオニオン オリジン創造説
ニアが語ったアイオニオン創生の話は「交わりの日の瞬間に世界が静止しオリジンで世界は再生しなかった」というところですが、
ここで「世界は一度消滅したのか?」というところで意見が分かれているようです。
ニアの説明をそのまま受け取った場合やメビウスの出現理由を考えた場合、
「交わりの日→消滅しきる前にメビウスが出現→オリジン掌握(世界静止)」が自然に見えますが、
「消滅→メビウス出現→オリジン掌握→オリジンでアイオニオン創生(世界静止)」というパターンの考え方もあるようです。
確かに後者だとEDムービーでの「世界分離→消滅→再生」と一応辻褄は合います。
アイオニオンが、メビウスがオリジンの力を使い元々ごった煮の姿で意図して誕生させたのなら、一度2つの世界の姿に戻してから改めて消滅しなおすプロセスが挟まってもおかしくないですし、消滅現象がゆっくりとしたペースでしか発生しないのも納得がいきます。
前者だとEDで一回分離する理由がわからないんですよね。消滅しかかってる世界はそのまま消滅すればいいので。
演出のためにそうしたと言われればそれまでですが。
「世界の静止」を字面のままとれば前者、「オリジンを正常起動しない」という意味でとれば後者という考え方でも分けられそうです。
・黒い霧について
消滅現象の前兆ですが、この霧の中ではメビウスの索敵が機能せず「見えなくなる」という現象が発生します。
これについては劇中で具体的な説明はありませんが、メビウスが「消滅への恐怖から生まれた」ということを踏まえれば、
消滅現象の権化である黒い霧は、「目を背けたくなる見たくないもの」であるわけで、消滅から逃げている意志の塊であれば見えなくなるのはむしろ当然、という考察が出来ます。
対して主人公たちは「見たくないものでも見なくちゃならない」というセリフをハッキリ言ってますし、メビウスとウロボロスはスタンスが真逆であることもこの説を後押ししてるのではないかと思います。
これに限らずアイオニオンという広大な世界全体そのもので人間の心理・葛藤を描いている節があります。
『ゼノブレイドDE』で登場した「霧乃獣」との関連性はまだ不明ですが、あれは交わりの日に先んじて『2』の世界からやって来たグルドゥなのではと思っています。
巨神獣界のものが巨神と機神の世界にやってくれば消滅現象を引き起こしますし、その前兆として黒い霧を纏っていたのではないか?と。
追記:DLCで回収されました。霧乃獣関連は暴走したウーシアが旧き人類を消すために尖兵として使用しています。
『ゼノブレイド2』の「チャレンジバトル」にもちょっとした伏線がありました。
巨神と機神の世界でも巨神獣界でもない「挑戦の地」ではシュルクとレックスは会えましたが、お互いの世界に行くことは出来ませんし、
ノポンダイセンニンも「シュルクとフィオルンが巨神獣界に行くことは許されない」と釘を刺しています。このとき当時はこれがなぜかについての説明はありませんでした。
シュルクを巨神獣界に連れ出せるようになった際も、肉体そのものではなく実体を伴った意識だけが行くことを許されるという形で巨神獣界に赴くことになりました。
互いの世界の物質が融合すると消滅現象という取り返しのつかない事象を引き起こすことを考えれば、ノポンダイセンニンのこの対応は至極当然と言えます。
・六氏族について
メビウスに抵抗し隠れて生きている住民が暮らす「シティー」。この地を最初に興したのは6人の「初代ウロボロス」であり「始祖」。この子孫たちがシティーで暮らしており「六氏族」と呼ばれています。
オーツ家、リイド家、ドイル家、ヴァンダム家、ローディス家、カシィ家とあり、初代ウロボロスの銅像もシティーに飾られています。
このうち、ヴァンダム家の像はランツ曰く「ノアに似ている」とのことですが、現時点で彼らの正体は不明です。DLCで回収される可能性が大きいと思います。
追記:DLCで回収されました。
オーツ家の像は見た目がシュルクと瓜二つ。説明にも「機械工学に長けている」「ブレイドで戦うことはなく、自ら製造した武器で戦った」とあります。
シュルクは『1』のラストで自らのモナドを捨て去り、『つながる未来』では機械式のモナド「モナドREX」を使用したのでこの説明とも合致します。
ミスリードでなければシュルクかその子孫とも捉えることができますが果たして。
追記:DLCで回収されました。シュルクの息子と思われる人物がケヴェス兵として再生され、火時計から解放された「ニコル」がオーツ家始祖です
リイド家の像は右手が義手になっている長髪のマントの男。「冷静で物静かな人物」「赤き大剣を振るった」「メビウスとの戦いで右腕を失った」とありますが、
この像は始祖が師と仰いだ人物の姿であり、始祖本人のものではないと書かれています。
赤き大剣というとモナド、冷静で隻腕、長髪というとダンバンさんを思い出しますが正体までは判りません。
追記:DLCで回収されました。像の人物はシュルクですが、リイド家始祖はおそらくカルナの娘「パナセア」です。シュルクはアルファとの闘いで片腕を失っていました。
ドイル家の像はケモミミが付いているので『2』の世界由来の人物で女性です。グーラ人かブレイドかのどちらかですが正体は不明。「聡明な人物であった」と書かれている。
「ヴァンダム家と血のつながりがあった」と書かれていますが、大元のヴァンダムはインヴィディア人なのでなぜ血のつながりがあるのか、謎が深い始祖です。
追記:DLCで回収されました。ヴァンダム家の出身、マシューの妹の「ナエル」です。レックスの子孫なので師であるヴァンダムの名を受け継いでいるようです。その後嫁いで別の姓になったと考えられます。
ヴァンダム家の像はランツがノアに似ていると言った、長髪ポニーテールの男の像です。『1』や『2』のヴァンダムとは似ても似つかない。「拳」を武器に戦っていたという記述があります。
『ゼノギアス』のフェイにも似ている気がする。
この像の男がヴァンダムの「名」を継いでいたのであれば上記のドイル家と血のつながりがあったというのにも矛盾しません。
シティーを襲撃した「N」を撃退したと書かれているので、この人物がNとなったわけではないようです。
モニカとゴンドウ、そしてゲルニカはこの家系。
追記:DLCで回収されました。旧シティーの生存者でありN(となる前のノア)の子孫、『新たなる未来』の主人公「マシュー」です。レックスの子孫なのでヴァンダムの名を継いでいるようです。
ローディス家の像はポニーテールで少し和風な服を着ている女性。「医療技術に長けていた」とされています。
『2』の世界由来の人物ということくらいしか現状不明。
追記:DLCで回収されました。レックスの娘と思われる人物がアグヌス兵として再生され、火時計から解放された「カギロイ」がローディス家始祖です。
カシィ家の像はガタイのいい男で、「二振りの大剣を軽々と振るい隻眼だった」「豪放磊落、非常に熱き人物」と書かれていますが、
これも「始祖が師と仰いだ人物の像」であったとされ始祖本人ではないとのこと。
髪型と説明からパッと思いつくのはレックス。本作のEDでは大人になったレックスの姿を見ることができますが、髪型が似ておりこの像の特徴と一致します。
二振りの大剣というのはもちろんホムラとヒカリの剣、性格の説明もレックスの特徴として見てもほぼ一致します。隻眼だけ不明ですが、メビウスによる瞳の掌握から逃れるために潰したのではないかとも考えられます。
(ホムラとヒカリは最終的に二人に分裂したので二振りの剣を同時に扱うことも可能)
追記:DLCで回収されました。像はレックスでしたが、始祖はおそらくサイカの娘「リンカ」です。レックスはアルファとの闘いで片目を失っていました。
・交わりの日はそれぞれの世界の物語からどのくらい経った後の出来事なのか
『1』でシュルクがザンザを斬ったタイミングで『2』世界のゲートが消失、それを原因として世界が一つに戻ろうとしたことはうかがい知れますが、
少なくともオリジンの設計と建造をする猶予はあったのですぐに起きたということはないはず。
オリジン建造は『1』本編から一年後と明記されている『つながる未来』より後なのは確実です。
『2』のその後はEDでの写真から推測することしかできませんが、レックスは青年に、加えてメレフの容姿があまり変わっていないことを踏まえると、
写真の時点では大雑把に5年後くらいのものではないかと考えています。
(ジークはブレイドイーターなので除外)
これらが劇中の冒頭の幼少期ノアがいた交わりの日の瞬間へつながるのにどのくらいの時が経ったのかをふんわりとですが考えてみると、
・復興し終わったアカモートが発展したコロニーの近くに移動している
・メリアがハイエンターだけでなくホムスやマシーナも含めて統治している
などからオリジンの建造も含めて考えると少なくとも20年以上は経っていそうな雰囲気もあります。
ニアがレックスたちの写真を見ながら言った「これから帰るよ」というセリフを素直に受け取った場合、
交わりの日の瞬間までレックスたちは存命してたことになります。
追記:DLCでシュルクとレックスは交わりの日から数百年か数千年経ったアイオニオンでも存命しアルファと戦ったのちオリジンと同化しました。「役割」があるらしく特殊な権能で生きています。
・「光」の正体
世界が消滅すると「光」を残し何もなくなる、メリアとニアは「光」を使って世界を跨いで交信していた、
と語られますが、この「光」は『1』をやっていない人には解りづらいかもしれません。
この光とは『1』でヴァネアが語っていた一人ひとりが持つ心の光、モナドロジーで言う広義のモナド。
言い換えれば「人の本質」であり、肉体が滅びようと、記憶が無くなろうとこれだけは絶対に不変、不滅の存在とされています。
肉体や記憶が既に無くとも蘇り、一人の肉体に同居しようとも上書きされないというのはシリーズ通して描かれていますね。
なのでオリジンで再生された肉体は本来の自分と言えるのか?という疑問にはYESと言えるわけです。
ここに関しては『クロス』でも同じような話が出てきましたね。
無限に生み出される兵たちはメビウスやオリジンから見ればデータベースから再生されたデータみたいな存在ではありますが、
「光」がある限り紛れもなく本人と言えるでしょう。
・成人の義が必要なのはなぜか
アイオニオンにおいて10年の生を全うし成人の義を迎えた兵は二度と再生されることはなく、消滅します。
まず成人の義というものがなぜ必要なのか2つの説にわけて考察してみます。
・10年を戦い抜いた兵は強くて困るので戦いの輪廻から除外する説
メビウスは戦争を娯楽として楽しんでいる側面もあるので、バランスブレイカーがいるとゲームとして成り立たないので間引きしているという説。
また、メビウスも兵が団結して立ち向かえば倒すことも可能なようなので、あまり強くなられすぎるとメビウスにも危険が及ぶためという事情も考えられなくもない。
・力と共に知恵をつけ集団化を恐れたから説
兵は生きるのに精いっぱいで他のこと考える余裕がないという状況を保つためにという説。
ザンザが語った「技術で世界を変えようとする危険な存在」、マルベーニが行っていた「集団化を恐れ管理した」という要素の複合。
現にシティーの住民は与えられたものではなく自らの技術で世界を変えようとしている集団。(保守派の人もいるけど)
・二度と再生されない理由は不明
成人の義の特性というより、「おくる」ということ自体が戦いの輪廻から解き放つ行為なのでは。
成人の義もおくりも同じく兵士から昇る粒子が赤ではなく白。
笛そのものは特殊なものではなく、ノアたちが自前の材料で修理できるものであることはわかっています。
明かされてほしかった部分ですが、謎のままとなっています。
執政官クリスが提案した温情なのではと思いましたが、クリスがメビウスとなった時期と成人の義が始まった時期がはっきりしないので何とも言えません。
・ノアとミオだけ成人を迎えても再生され続ける理由
「理を超えて成人を迎えても再生される」ノアとミオですが、まずこの理とはメビウスが創り上げたもの。
ノアとミオはNとMの「こうあるべきだった」という後悔の念から生まれた存在であり、
その強い後悔の主が、理を創ったメビウスの一員であるなら無意識下で理に影響を与え、成人しても再生され続けるのはむしろ当然と考えることができます。
追記:Nが語るところでは「俺たちは後悔から生まれた」と言っていました。つまりノアとミオだけでなくNとMも後悔から生まれた存在だと言っています。
ということはメビウスという「永遠を願う意思」そのものが無意識に「こうあるべきだった」という葛藤も抱えており、ノアとミオはこの世界の行く先を託す存在として元々特殊な人間だった可能性があります。
世界を牛耳る元凶が生み出した後悔ならば成人を迎えてもなお再生され続けるのも納得です。その中で挫折してしまったのがNというわけですね。
Nはノアの不安や恐怖、絶望を表現した存在ですが、それもまた人間の一部なので切っても切ることは出来ません。
だからこそ最後に「いてもいいんだ」と肯定していたわけですね。重要なのはそれを受け入れて乗り越えること。
N(旧ノア)はM(旧ミオ)と子供を遺せたというトゥルーエンドを迎えられたものの、それはあくまでゼットが定めた理の中でひと時の安らぎを得られたにすぎず、
アイオニオンそのものをどうにかしなければその子供や子孫もやがてシティーを守る戦いか、仮に生き残れても消滅現象による閉ざされた未来に巻き込まれ無に還るでしょう。
Nがメビウスになった理由は、成人後ゼットの元に召喚された際に今までのループを見せられたことで何度もミオを失っている絶望を突きつけられていたから。
何度あがいても失う最後が決まっているなら「永遠の今」を選択すればいいと、メビウスになる道をうながされたような形ですね。
・本編のループでゼットを撃破できた鍵
数多ものループで本編のノアがゼットを倒し世界を元に戻すことができたわけですが、
「自身の力で未来を切り拓く意思」により覚醒した終(オリジン)の剣と、
「自分の恐怖を受け入れること」で一体化したNの力が最終的にゼットを倒す鍵となりました。
これはそれぞれかつて、前者はシュルク、後者はレックス、ホムラ、ヒカリがかつてやったことでもあります。
・最後に聞こえた笛の音
スタッフクレジットの後に挟まれた、「再生後の世界」のムービーは冒頭の幼少期ノアの映像から続くものですが、
この一瞬の間に数千年にも及ぶアイオニオンの戦いがあり、最終的にミオと別れ再会を約束し元の世界に戻ってきました。
しかし、最後には聞こえるはずのない「おくりびとの笛の調べ」がどこからか聞こえてきてノアが人ごみの中に姿を消す映像で本編は終了となります。
これから語られるのか、想像に任せるENDなのかはわかりませんが、どちらにしてもミオとの再会を匂わせる終わり方です。
ここで気になる点が一つ。ノアとミオは互いの笛を交換したまま別れました。
互いの世界由来のものは消滅してしまうので持ち込めないというルールは、直前のタイオンが書いたハーブティーのレシピのくだりで説明されています。
これと関係あるのかはわかりませんが、ノアやミオが再開できる可能性を探るにあたって、笛がそのままという部分は唯一の手掛かりとなりそうです。
追記:DLCでの本編後と思われる映像にて消滅せずに世界が再融合されたことが確認されました。
・最後に
発売前からの本作の説明で「『1』と『2』の未来をつなぐ物語」と紹介されていますが、これは「未来では2つの世界は繋がる」というそのまま受け取った解釈はミスリードで、
実際は「2つの世界は未来の無い世界の閉じ込められており、世界そのものをやりなおして未来を繋ぐ」というお話でした。要は本編そのものが巨大な未来視ということですね。
また、「鉄巨神」「オリジンの金属」など敵勢力が牛耳っている技術に金属がフィーチャーされている事も気づきました。
対して兵士が使える武器などは金属ではありませんし、オリジンの金属をルーツとするラッキーセブンもあきらかに他の武装より突出して強いなどの描写もありました。
これは人類が文明を持った証である「金属」を持つメビウスが人類であることを暗喩しており、それ以下の武装かメビウスに与えられた兵器しか持てない兵士たちはメビウスによって人類文明未満の存在に押しとどめられているという考察をすることができますね。
命の火という人類の証たる「火」こそ持ってはいるものの、文明には及ばない存在として描かれていると。
『ゼノブレイド』でも語られた人類の本質「技術で世界を変えていく存在」をメビウスはザンザと同じように危険視し、変化を恐れ抑制しようとしたということですね。
また、本作はメッセージ性が特に強い作風で、要約すると「自分で自分を閉じ込めるな、殻を破って前に進め」という現代の若者に向けた問題提起と激励が込められていると感じました。
よく説明が不足していると評されがちな本作ですが、それは背景の設定面だけの話であり、本筋の部分は一貫しており物語はちゃんと完成しています。
ただ、ゼノのような設定が濃厚なシリーズではファンもその辺の説明や回収を望んでいたりするので、消化不良に思う部分があるのも事実ではあります。
ゼノシリーズは本来説明したがりな部分があるのでその辺じっくりやるとえらいことになるかもしれませんが。
説明されてない部分はほとんど前作絡みなのでシリーズを遊んでない人でも理解できるようにしてある設計だとも思います。
追記:DLCにて設定面の謎はほぼ回収されました。本筋は本編で描き切って、細かい設定はDLCでという形式がゼノシリーズにはフィットしている気がします。
また、クラウスやゲート関連の話は一切なく、単体で理解できるストーリーとなっているので、過去作の世界が融合してると言っても過去作要素の顛末が語られたりする部分は本編ではあまりありません。
ただしその代わりBGMやフィールドやクエストなどでは過去作要素がモリモリとなっています。
こういうことはあまり書きたくありませんが、レビューと称しておきながら、ラスボスの目的、Nがメビウスになった理由、主人公がやっていることへの反対勢力の存在、兵士は戦うこと以外考えられなくさせられているためその他のことに関心がない(主人公らもウロボロスになって動物をじっくり観察するまで子供という概念はなかった)、といったきちんと説明されていることに対して「理由がわからない」「こうしてればよかった」などツッコミを入れているサイトやブログもあります。(中にはまともにムービーを見てもいないのにシナリオのレビューをしているようなのも)
『2』の時もそうでしたが、重要なことはほとんど劇中で描かれているので、噛み砕いたうえで必要があればムービーを見返すなどして、感想ならまだしもレビューと称してるからにはそこまでやってほしいところです。
また、ムービーの内容なども見せ方がどうのとか物語上不必要などの意見も少数見られますが、ゲームというのは一般大衆に向けた娯楽であり商品なので理屈よりインパクトある絵作りやシナリオが求められる場合もあります。
ゲームに限らずなんにでも言えることですが、マニアやオタクの言うとおりにすればもっと合理的で綺麗なものを作ることはできるでしょう。ただ、それがウケるか売れるかは別の話。
賞をもらっているような高尚な映画であっても大衆には理解されず退屈なものという烙印を押されているものもあることを考えれば明白だと思います。
ひそかに期待していた『ゼノブレイドクロス』との接点ですが、アイオニオンが消滅して元の二つの世界が再生されたため、またしても惑星ミラ誕生の謎には迫れませんでした。
ただ、何も収穫が無かったというわけでもなく、
例えばウロボロスやメビウスが地球を襲ったゴーストの勢力に似ていたり、オリジンのシステムがセントラルライフと似ていたり。
ゼノブレイドシリーズはまだまだ続いていくそうなので、これからの展開にも期待しています。
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