多摩爺の「時のつれづれ(師走の52)」
昨日の敵は今日の友
今月1日、衆参合わせて国会に50名を超える勢力を持つ、野党第二党の代表選挙が行われ、
国会で質問ができない、国会議員ではない自治体のトップが、圧倒的な得票で選出されている。
これによって同代表は、自治体のトップ、地域政党のトップ、国政政党のトップとなり、
忙しくて大変だと思うが・・・ 三足の草鞋を履くことになった。
とはいえ・・・ 国政政党の代表が、国会で質問できないのは、さすがに拙いことから、
ちょっとややこしいが、同党は共同代表というポストを設け、
国政の対応に特化して役割を分担し・・・ 政治活動に当たることにしている。
いわゆるグループ会社の社長が、グループを束ねる持株会社の社長に、形式上座っているのと同じで、
形の上では、キチンと役割が分担されているようにみえるが、
企業の活動と違って、喋るのが商売の政治の世界において、共同という肩書きを弁えて、
仕事しなきゃならないんだから・・・ こりゃ、けっこう大変だと思う。
まっ、それはさておき・・・ 両院議員総会を経て、その共同代表に選出されたのが、
先の衆院選挙の直前に、他党から駆け込みで合流した調子の良い方で、
「政界の壊し屋」といわれた他党の議員や、「政界の渡り鳥」といわれた自治体のトップと懇ろで、
壊し屋と渡り鳥を地で行く、曰わく付きの方だったので、これにはちょっとたまげてしまった。
その共同代表が、就任の会見において・・・ 早速やらかしてしまった。
政界再編を目論んで、彼には彼なりの思いがあるのは尊重しなきゃならないと思うものの、
後ろ足で砂をかけて出ていった政党に向けて、「昨日の敵は今日の友」と言ったというんだから、
大変申し訳ないが、悪い冗談にも程があり、思わず笑ってしまった。
彼と彼が出ていく前に所属していた政党の間では、
代表選挙で敗れた彼が、基本的な政治姿勢の違いから、同党を出て行ったように報道されているが、
数名の仲間を連れて出て行かれた同党は・・・ 彼を除籍処分にしており、
同党の幹事長は「仲間を裏切る者は国民も裏切る。」とバッサリ切り捨てているのである。
そういったことを客観的に捉えれば・・・ 前に所属していた政党の幹部が彼を許し、
「昨日の敵は今日の友」というのであれば、政治の世界はなんでもありだから、理解するとしても、
除籍された彼が、その言葉を口にするのは・・・ 表現を変えれば「お客様は神様です。」と、
悪態をついた客が、店主に向かって開き直るのと同じだと思うが・・・ 如何なものだろうか?
にも拘わらず「昨日の敵は今日の友」なんだから、
ホントに、ホントに・・・ なにやってんだかである。
しれっと惚けて発した言葉なのか、それとも面の皮がメチャメチャ厚いのか、
国会内に50名を超える勢力を持つ、野党第二党の共同代表がこれでは・・・ 先が思いやられる。
話は変わるが、この政党が掲げていた大阪都構想は、私は今でも妙案だと思っていて、
人口30万人から50万人の単位での基礎自治体を中心にした大阪都を経て、
道州制の議論が進み、ベーシックインカムまで国民的な議論をすることができれば、
それを導入するか否かはべつにして・・・ この国の未来も、まんざらじゃないと思っていた。
この国の人口は約1.2億人だから、選挙権を持つ有権者は84~5%と捉えれば約1億人となり、
300程度の基礎自治体に分割すれば、1つの都市の人口の目安は40万人前後となるので、
そのまま小選挙区にすれば、1票の格差が2倍になることもなく、
選挙のたびに自治体を統合したり分割するような、区割り変更が起こることもなくなるだろう。
地域によっては、広域となってしまうこともあるが、
再編される前の市役所や役場を支所として活用すれば、サービスはいまと変わらないし、
高度なスキルが求められるIT要員についても、勤務地が人口40万人程度の都市部になることから、
要員の確保とバランスを取った配置が、そんなに難しくはないだろう。
そういった視点から、この政党が大阪都構想を掲げたときは、中長期を見据えた思考に期待したし、
令和の廃藩置県の旗振り役になってくれることを期待し、それこそ維新だと思っていたが、
いまじゃ目先のことに飛びつく、中途半端な政党になってしまった感が否めない。
極論になってしまうが・・・ 個人的な思いとしては、
政治とカネ問題のような、極めて難題ではあるものの、国民生活に直結しない課題は、
それに拘り、それしか頑張ることができない政党に・・・ 任せておけば良いと思っている。
それができれば「昨日の敵は今日の友」だなんて、お調子者のようなことを言わないでも済むし、
常に中長期的な視点で、高い理想を掲げ・・・ この国のあるべき姿を希求し、
タイミングを逸することなく、課題を提起できる政党に徹することも可能だと思うが、
これって・・・ 無茶振りしてることになるのだろうか?
草臥れた爺さんが、偉そうなことをいうつもりはないが、
共同代表の会見報道を見ていると・・・ なんか的が外れているようで、
ついそんな思いが、頭のなかを過っていた。
本当に同感しています。何だかなーです。
私が子供の頃の政治家も色々な事を陰ではしていたのでしょうが、兎に角、政治家らしい人としての貫禄がありました。昔は国会議員や地方議員が親戚にいたり友人だったら、自慢する人は沢山おられましたが、今は隠さないといけない人さえおられると聞きます。尊敬出来る政治家の出現を待ち望んでいます。なおとも
為政者に求めるのは、虫の目、鳥の目、魚の目を持っているか否かだと思っています。
様々な角度から複眼的に見つつ、喫緊の課題に集中する虫の目、
高いところから俯瞰的に全体を見てバランスを調整する鳥の目、
時の流れに惑わされず、先を読み次への着手を怠らない魚の目です。
その総てを持ってる為政者は限られますから、政党があって、お互いに補完し合ってるのだと思います。
そういった視線で、政党のトップはいかがなものかと見てみたら、
政策がワンイシューの野田さんには、正直ガッカリしてますし、
吉村さんは、あれもこれもに首を突っ込み過ぎてて、業務量的にオーバーフローしてますし、
石破さんと玉木さんは、結果はでてませんが、バランスに配慮して難しい舵取りに頑張ってると思います。