これを夕刻から夜中にかけて針にかけて獲る漁法を当地方では通称「ガラガケ」と言う。中新田ではこれが盛んで、私も見様見真似で始めたのがアユとの出会いである。頭にヘットランプを装着し、腿までの長靴を履き川の中に立ちこみ暗闇の中ひたすら竿を振る釣りだ。
中にはサンマぐらいに成長したものもあり同時に2,3尾掛かると強烈な引きで取り込むのに苦労する。多い時はは4キロ近く獲ることも珍しくなく夢中になったものだ。
その獲物だが盛期を過ぎて脂が落ちているので焼いて粕漬けにした。ガーゼに35度の焼酎と酒粕を塗り込み焼いたアユを上下に挟んで冷蔵庫で保管しておき十分馴染んだ頃に食べる。
これが中新田の銘産「アユの粕漬」当時が懐かしくなり、冷凍庫に保管していたアユで作ってみた。焼いて引き締まった身に酒粕の香りが合い酒の肴には手頃だ。
先の日曜日、広瀬名取川漁業組合の臨時総会があり、出席したが、今年は津波による河口の体積物などで天然遡上も少なく、放流した養殖アユが何らかの原因で殆ど死滅したため漁獲量は非常に少なかったとの事。自然の中で魚類たちを相手にしている私達にはなすすべもないことだ。来年に期待しよう。
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