小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

風かおる

2016-01-05 22:25:46 | 小さな気付き

 

葉室麟著

「風かおる」

 

読み終えました

爽やかな題名と装画にひかれて買ってきました

 

黒田藩の郡方50万石、渡辺半兵衛の3女に生まれた菜摘

3歳の時同じ藩の竹内佐十郎のもとに養女に出されます

しかし、その養父がわけあったため実家に戻り

そして16歳で鍼灸医佐久良亮に嫁します

そして、その亮の指導を受け彼女も診療ができるまでになります

 

養父がわけあったというそのわけとは

佐十郎の妻、つまり菜摘の養母は幼馴染の藩士と密通し駆け落ちしたため

その「妻敵討ち」の旅に出たのでした

 

その敵討ちを終え、10年ぶりに帰ってきた佐十郎は病魔に侵されていました

菜摘は佐十郎の治療をします

佐十郎は妻敵討ちなどしたくなかったが仕組まれたといい

その仕組んだ相手と果し合いをすると菜摘に言います

 

そしてその妻の不義密通もこれもまた仕組まれたことだったと言います

 

もうここ辺から謎解きミステリーです

誰が?

何のために?

 

嫉妬のためのいじめ、そしてその意趣返し

出世の為に友を陥れたり

体面を守るための隠ぺいだったりと

いつの時代も人間の業や欲は変わりません

 

それを藩のエリート達が・・・

 

養父を優しいいい人という菜摘に

佐十郎の友が彼女に言います

 

「ひとは善をなすつもりで悪をなし、悪をなすつもりで善をなしてしまう生き物なのだ

正直者にはわからない」

 

ちょっとした出来心がまわりを巻き込んでの悲劇

 

最後にすべてが明らかなになった後

菜摘、弟の誠之助、千沙達は

亮が学ぶ長崎に行こうということになります

それを受けて亮が

「皆が長崎に来ると聞いて、なんだかよい風が吹くような気がした」

と言います

菜摘は

どのような悲しい思い出も乗り越えていかねばならない

風がかおるように生きなければ・・・・

 

この最後のページで重苦しい結末も救われました

 

最後まで一気読みさせる葉室さんの本

でもやっぱりこの本は私には少し重かったな~

 

また髪結い伊三次シリーズ4冊目に入ります

 

コメント (2)
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