一年ぶりに「アンサンブル・市川」の定期演奏会へ。 (※前回の記事はこちら)
◆第30回を記念して、トランペット奏者の太田恭史さんを独奏者に迎えての3部構成です。
いつものように2階席前方へ。
会場の2階は毎回「お子さん連れ席」として開放されています。演奏中に時おり声が聴こえますが、はじめからそのつもりでいるとあまり気にならない。席の区別がなくて子どもの声が聴こえるとすごく気になるのに人間とは勝手なものです 笑。
★第1部は吹奏楽のオリジナル作品4曲
1曲目は「GODSPEED!」(S.メリロ)
打楽器の一撃で始まるエネルギッシュでスピード感のある演奏は幕開けにぴったりです。重心の低いサウンドと充実した編成はアンサンブル市川ならでは。
※この曲の冒頭と後半に現れるトランペットと木管のフレーズを聴くと、いつも映画「E.T.」(音楽:J.ウィリアムス)を連想してしまいます。
2曲目は趣を変えて「森の贈り物」(酒井格)
以前、ある中学校の爽やかな演奏を聴いて好きになった曲ですが、大人のバンドがやるとこうなるのか、と感じ入りました。まずソロの皆さんが上手い。特にトランペットはブラヴォー!
各セクションが混ざり合った柔らかな響きも心地よく、中学生の演奏が若葉の季節の小さな森だとすれば、今日の演奏は深い緑をたたえた大きな森、そんな演奏でした。(ほめすぎ?笑)
3曲目はマーチ「春の道を歩こう」(佐藤邦弘)
お~、いかにも課題曲 笑。
これも落ち着いた演奏で特に後方の打楽器(個人的にこの配置は好きです)がぴりっと要所を決めています。
4曲目は「ル・ピトレスク ~ウインド・オーケストラのために~」(光田健一)
「ル・ピトレスク」ってどこかで聞いたような?あ、私の好きなマスネの組曲「絵のような風景」と同じですね。なるほど。
音色や曲想など変化のある作品で打楽器の使い方も面白い。でも音楽としてまとめるのは大変そうな気がしました。
★第2部はゲストを迎えての共演
トランペット奏者の太田恭史さんのソロで「トランペット協奏曲」変イ長調(A.アルチュニアン)
コンテストなどでもよく演奏される曲ですが、いやいや、さすがです。音量、音色、テクニック、歌い回し、脂がのっております 笑。
吹奏楽で協奏曲の伴奏をするのはなかなか難しいものですが、大人数にもかかわらずバランスがよくソロもgood!
会場の拍手に答えてのアンコールはどこか懐かしい「エレジー」(A.アルチュニアン)
なかなか贅沢なステージでありました。
★第3部はオーケストラからのアレンジ作品
今回のメインはバレエ音楽「青銅の騎士」より(R.グリエール)
グリエールといえば「ロシア水兵の踊り」(バレエ音楽 《赤いけしの花》より)が有名ですね。
◆ロシア水兵の踊り
ロシアものは大好きなのですが、繰り返しが多く音量も必要で体力がいります。ついつい「吹く方は大変だろうな~」と考えてしまいます。特にこの「青銅の騎士」は最後がきつい。金管いじめのようなffのロングトーンがこれでもかと続く 笑。それでも挑戦するアンサンブル市川、目指すは青銅の騎士ピョートル大帝のように「ブルいち帝国建設」の野望? 笑
演奏は重厚な低音楽器群で始まり、各ソロも美しい。ポルカやワルツ、躍動的な「踊りの場面」、そして最後の壮大なコラールまでたっぷり楽しませてくれました。これで弱音部分にさらに磨きがかかればさらに素晴らしいと思います。
そしてアンコールはまず「ヴィリアの歌」(F.レハール)でしっとりと歌いあげていったん気持ちを静めてからお約束の「ギャロップ」(A.リード)へ。
いつも大喝采の「ギャロップ」ですが、今回は特に打楽器が際立っていました。中でも繊細で切れ味鋭いシンバルと、深さを変えた(たぶん)3台のスネア・ドラムが興奮モノ!遠目ではっきりお顔はわかりませんでしたが横山やすしさん似(失礼)のスネアドラムの方の見事なスティックワークにはシビれました!目が釘付け。いや~気持ちよかった。
◆横山やすし師匠 笑
次回の定期演奏会も楽しみです。
(2015.06.21)
※第31回定期演奏会は2016.2.11(祝)14時から市川市文化会館大ホールにて。