パパね、中身が女の人らしい💁🏻‍♀️

性同一性障害MtF
恋愛対象は女性
強烈な男性拒絶でさらに複雑

IKEAでサメちゃんとニシキヘビくんを連れ帰ってきた🦈🐍

2020年06月15日 | 日々のこと🍀
息子が「ツイッターのトレンドにこんなのあるよー可愛くない❓」というので見てみたら、サメちゃんとニシキヘビくんが❣️

即オンラインで買おうとみてみたら、近くのIKEAに在庫有りになっているのに注文できない。。。
なので翌日朝イチでIKEAへ行ってみました。
在庫ないならせめて注文だけでもしておこうと思って売り場を見てみたら、

山積み(笑)

その中で私たちの方をじっと見ている子がいたので、この子を連れて帰ってきました☺️
ニシキヘビくんもつぶらな瞳でこっちを見てるから一緒にね🙆🏻‍♀️

他の人のツイートにもあったので、我が家でもサメちゃんをお布団で寝かせてみたら、


ま、こうなりますわ(笑)
可愛くてたまらん。。。

息子ちゃんはサメちゃんを寝る時の抱き枕に、ニシキヘビくんはソファでとぐろを巻いております。

あの山積み状態のサメちゃんを自宅で再現したいなと思いつつ、大変なことになるので我慢している今日この頃。

あ〜楽し〜💁🏻‍♀️

性同一性障害の治療を知る

2020年06月12日 | 男から女性へ💁🏻‍♀️
「性同一性障害の治療について知っていることはありますか?」

知っていること。
性別適合手術やホルモン療法のことだろうか。他にはどんな治療があるのだろう。
私のような女性へ性別移行する人間で思いつくことといったら、あとは豊胸手術や美容整形、脱毛くらいだ。それ以外の治療ってなんだろう。

「性同一性障害の治療というのは、手術やホルモン療法だけじゃないんですよ。実はこういった直接的に身体に手を入れる治療以外の部分が非常に重要なんです」

身体に手を入れる治療以外。
心か。

「簡単にいうとね、性別違和を抱えて生きてきたということは、自分の心の性別、本来の自分の性別だと思っている性に変わりたいわけです。でも実際にそこへ到達するためには、単純に体が変わるだけでなく、その性別で社会に適応する必要がある。こう考えるとわかりやすいんだけど、人ってその人がどういう人かを判別する時、まずは見た目からですよね?例えば、今の私を見た人は、白衣を来た男性医師と認識する。別に私が自分で“男性医師です”って言って回ってるわけじゃない。見た目で判断されるわけです。じゃあ性同一性障害の人が自認性別の容姿で社会生活を送る時、性別移行してすぐは別として、私は女性です、男性ですって言いながら生活しているか。そんなわけないですよね。自認している性別の容姿をして、生まれながらの性別で存在している人たちと同じようにその性別として存在していく。特別扱いなどではなく、ごく普通にね」

そうか、そういうことか。
私は自分の心が女性であると認識している。それはもちろん男としての自分が存在していることを認識しながらも、性格や性質、趣味嗜好、社会の上での役割などが女性的であり、自分の心が女性であると感じているからこそ、今こうして性別移行を進めようとしている。
生まれつき女性だったら良かったのにと思っているからこそ、ここで女性になろうとしているのだ。
実際に女性になれたとしたら、元男で今は女性になりましたと言って生活することを望んでいるわけじゃない。普通の女性と同じように振る舞い、そう周りからも認識されて、普通に過ごしたいだけだ。
それも治療の一環として含まれる、そういうことなのだ。

「そうです、そこが大事なんですよ。見た目はホルモン療法を開始すれば、徐々にですが数年かけて女性化していきます。既に成長した骨格は変化しませんが、胸は膨らみ、顔つきや目つき、体つきも、脂肪のつき方が変わっていくので女性らしくなっていきます。肌や髪質も変わります。髭は生えなくなるわけではないですが、伸び方が遅くなり、毛質も変わる。体臭も変わる。さらに脳も変化していきます。人によっては、空間認識脳力は下がっていき、競争心などの男性的特徴も下がり、逆に女性の特性として感情的になったり涙脆くなったりする。性ホルモンが身体に及ぼす影響というのは強力なものなんです。でもこれはあくまでもホルモンの効果。その人が元々持っている性格や性質が変わるわけじゃない」

性ホルモンの影響力、効果は凄いと聞いていたが、具体的に説明されると少し怖くなる。でも自分が選んだことなのだ。しっかり認識して、自分が望む方向へ進まなければならない。

「性別違和を抱えている人は、その時点で反対の性別の特徴を正確や性質として持っていますよね。あなたもそうでしょう。でも、それまで生きてきた中で、その性自認として生きてきたわけじゃない。どんなに反対の性別に同調し、同化していたとしても、それまでの生物学的な性別として生きてきた環境とそこでの振る舞いは必ずあるんですよ。そこを変える必要があるんです。具体的には、性別移行する人は、喋り方や発声、歩き方、仕種、そういうところを移行する性別に合わせていく必要があります。これがうまくいかないと、実際に移行後の性別で生活をする上で、不自然に映ってしまうわけです」

そうか、それも治療として考えていく必要があるわけだ。

「仮に見た目が完全に女性に移行できていて、誰が見ても普通の女性として認識されるようになったとして、足を開いて座っていたり、脇を開けて大ぶりな仕種をしていたら、男っぽい人に見えるでしょ?元が男であれば、それは周りからの認識でも男に見える。女装した男に見えるわけです。これを望むわけないですよね。ボーイッシュな女性や、女の子みたいな男の人、そんな程度には見えないんですよ。元の性別が出てくるんです」

話し方や歩き方、仕種、そういうものも病院で治療の一環としてやっていくのだろうか。

「ちょっと不安になりますよね、ここだけ聞くと。でも安心してくださいね。性同一性障害の診断が確定すればホルモン療法や性別適合手術ができるようになります。性別適合手術まで完了していれば戸籍上の性別を変更することも可能になり、完全に女性として社会に存在できるようになります。でもね、その前にもう一段階できることがあるんです。これが実はとても大きいこと。それが戸籍上の名前なんです」

戸籍上の名前を女性名に変更するのはそういう意味もあるのだ。
先生が今説明していることの意図と、名前の変更をするその意味の全容が見えてきた。

「戸籍名を変更したら自分の気持ち的にも凄く楽になると思っているんです」
「うん、そうですよね。特にこれから女性化を進めていくわけですから、それこそ見た目が完全に女性になったとしても、病院でフルネームを呼ばれる時に男性名だったら、好奇の目に曝されかねない。これは苦痛です。名前が自認性別にあったものに変わると、自覚が大きく変わります。自然と喋り方や仕種、振る舞いもその性別に合ったものに変わっていく人が多いんですよ。ただ、じゃあそれで充分かと言ったらそうじゃない。だから治療の一つとしてそこを身につけていく必要があるんですね」
「先生、それはこの病院で治療としてやっていくんですか?」
「まずはカウンセリングでその辺のことも話していくのですが、これはご自身で学んでいくものなので、意識して周りの女性を観察したり、仕種を真似たりしていくということも必要ですよ。もちろん、病院も協力しますし、最近は発声や仕種を教えてくれる専門のカウンセリングルームもありますからね」

専門のカウンセリングルームもあるのか。それだけ性同一性障害の人が増えてきているということなのだろうか。行くかどうかは別として、どんなところなのか知っておきたい。

「今日はこの辺にしましょう。この後はカウンセリングですよね。さっきも言いましたけど、私とは未来について、カウンセリングでは過去についてを話していきます。客観的に自分と向き合うことってなかなかないものです。単に性同一性障害の治療の一環としてだけでなく、これまで抱えてきたいろいろな想いや葛藤、悩みや苦しみ、そういったものを解消していく機会になるかもしれませんので、しっかり向き合ってみてくださいね」

ロビーのソファへ戻る。
先に診察室を出た彼女が、飲んでいたミルクティーを差し出して微笑んでくれた。
次はカウンセリングだ。

三回目のカウンセリング。
今回は少し先のこと、小学生の頃の様子を話すように言われている。
気が重い。でも話すことで自分から切り離すことができるような気がしていた。

一つひとつ越えていく。
これまでの人生を全て覆すようなことではないかもしれないが、振り返らずに進んできた道を反芻するのだ。不安にもなるが、その先に、乗り越えたその先にある新しい自分の人生を描かなければならない。

記憶を巡らせている私の手を優しく握る彼女の手があたたかい。
今この時を乗り越えるために、深い静寂へ入っていった。

女性名として生きる

2020年06月02日 | 男から女性へ💁🏻‍♀️
彼女と一日置きにホテルへ行き、買い込んだお洋服のコーディネートを考えては着てを繰り返した。おかげでスカーチョにも慣れたし、下着をつけるのもだいぶスムーズになってきた。
お化粧も何度も練習して、ようやく一人でそれなりに仕上げられるようになった。

いよいよ当日が来た。
彼女が付き添ってくれると言ってくれた。診察室へは一人で行くが、病院までの往復を一人でこなす勇気はまだない。病院の駐車場からエントランスまではほんの十メートル程度の距離。もう何度も来ているのに、今日は受付に行くことすら気持ちを整える必要がある。エントランス前で深呼吸をして、ドアに手をかけようとするが、そこから踏み込めない。

「大丈夫だよ、一緒に入ろう」

躊躇している私の手に手を重ねて、彼女がドアを開けた。
受付へ向かい、診察券と予約表を出した。事務員さんがニコッと微笑んで受け取ってくれた。特に妙な表情などはない。それもそうだろう、ジェンダー専門外来がある病院なのだ、性別移行の途中経過にある患者は何人も来院しているのだ。
待つように促され、ソファに腰を下ろした。彼女は隣で私の様子を見ながら微笑んでいる。

「ね、ぜんぜん平気じゃん。誰も気にしないよ」
「でもなんかやっぱり恥ずかしいよ」
「大丈夫だよ、堂々としてればいいんだよ。そのための病院でしょ?」
「そうだけどさぁ」

囁くように話す自分の声でさえ、周りに聞こえてるのではないかと不安になる。
しばらくして名前を呼ばれた。
すっと立ち上がったつもりだったが、緊張しているせいで足元がふらついた。
彼女が私の太腿にさっと手を当てて支えてくれた。今この動きを周りが不自然に思ったのではないかと神経が昂る。だが見回す余裕すらない。彼女が立ち上がった。

「行こ、一緒に行くよ」

彼女が診察室のドアを開けた。彼女の後について中へ入る。

「お待たせしました」

先生が立ち上がって迎えてくれた。

「すみません、ちょっとこの人緊張しちゃってて、私立ち合いしてもいいでしょうか?」
「そうでしたか。本来は立ち会いはご遠慮いただいているのですが、今日はいいですよ」

先生は穏やかな笑みを浮かべ、座るよう促してくれた。

「今日は女性として来てくださったんですね、ありがとうございます」
「いえ、あの、まだ慣れてなくて、恥ずかしくて」
「最初はそういうものですよ。でもご自身の本来の姿、本当の姿だと思ってしてらっしゃるんですから、何も気にせず堂々と、自信を持ってくださいね」

頭では理解しているものの、なかなかすぐには馴染めない。
だが、先生の一言、“女性として来てくださったんですね”という言葉が嬉しかった。
とても嬉しかった。
高揚しているという感じではない。
それが自分なのだと思えたこと、それ自体が嬉しかった。
先生の目を見た。
いつもと変わらない穏やかで優しい目だ。
ここでは自分を、本当の自分を曝け出していいのだ。

「先生、まだ慣れてないんですけど、私やっぱり女性として生きたいって思います」

涙が溢れてきた。
よくわからない。
悲しいわけでもなく、辛いわけでもなく、恥ずかしいわけでもなく、この感情をどう表現していいのかわからない。
ただ、涙が溢れてきた。

「それでいいんですよ。それがあなた本来の姿、気持ちなんです。だからこそ性別移行が必要ということなんですよ」

先生の言葉に自分が吸い寄せられていく。
彼女が手を握ってきた。
大粒の涙でお化粧が崩れるのがわかった。
看護師さんがティッシュを渡してくれた。
手に取ったが、涙を拭うことはしなかった。

今なら全てを話せる。
体裁を繕った言葉ではなく、苦しみを乗り越えた自負の言葉ではなく、心の中に響いた自分自身の言葉で、全てを話せる。

「先生、私・・・」
「大丈夫。ゆっくりでいいんです」

先生が看護師さんからカルテを受け取り、私の前に差し出した。

「ここ、見てください」

ぼやけた視界で先生の指が指している箇所を見た。
私の名前が書いてある。

「これまで通名を使っていたこともあるんですよね?ここ、ほら、苗字は書いてありますけど、下の名前は書いてないでしょ?」

確かにそうだ。
先生がボールペンを差し出してきた。

「ここにこれからの自分、本来の自分として生きるための、女性としての名前を書いてください」

驚いた。
戸籍上の本名ではなく、女性として生きていくための名前。
女性名をここに書く。正式なカルテに書く。
意味することはすぐにわかった。
震える指先を押さえながら、ゆっくり漢字で女性名を書いた。

「ありがとうございます。今日から当院では保険証や戸籍上の名前は別として、当院の記録上は全てこの女性名に変更させていただきますね」

また涙が溢れてくる。
今日、この瞬間から、私はこの女性名で生きていくのだ。
少なくともこの病院ではこの女性名で扱われるのだ。

「性同一性障害の診断が確定したら、戸籍名の変更を申し立てしましょう。戸籍上の性別を変更しなくても、名前が変わるだけで生活や公式な記録、全てが変わります。気持ちも変わります。ここ数年で社会性別という考え方、認識が広まってきています。それだけでも、あなたの生き方は変えられるんです。女性として生きることができるんです。女性としていきたい、その気持ちを正式に表明して、女性として生きていることを表に出していけるんです。まだまだこれから道のりは長くなりますが、その第一歩が今日ということにしましょう」

さっきまでの不安がすっと消え去ったのがわかった。

「今日はこの後カウンセリングですよね。過去のことはカウンセリングで行い、私とは未来についてを考えていきましょう」

舵を取る先生の言葉が嬉しかった。
気がつけば彼女も隣で泣いていた。

一緒に泣いてくれる人がいる。
一緒に前へ進んでくれる人がいる。
その方法を考えてくれる人がいる。

「では早速ですが・・・」

舵を取る先生の言葉に、自分の未来を重ねていった。