田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『マリー・アントワネット』

2019-07-10 07:55:40 | BIG ISSUE ビッグイシュー

『マリー・アントワネット』(06)(2006.9.28.ヤマハホール)

 ソフィア・コッポラ監督作を試写。この違和感は一体何なのだろうと、ずっと思いながら見るはめになった。それは、フランスの話なのにセリフが全て英語だということや、バックに今の音楽が流されることから生じるものではない。何かむずむずするというか、居心地が悪いというか、出てくる人物の誰一人にも感情移入ができないのだ。

 そもそもマリー役のキルスティン・ダンスト自体がかわいいのか醜悪なのかよく分からない描き方なのに加えて、ジェイソン・シュワルツマンとリップ・トーンのルイ親子、侍女のジュディ・デイビス、母親のマリアンヌ・フェイスフル(『あの胸にもういちど』(68)も今は昔か)…と、出てくるみんなが妖怪のような醜悪さを漂わせる。もっともソフィアは、わざとそう描いているのかもしれないのだが…。

 で、ふと思い当たったのが「これは日本の少女漫画の感覚に近いのかもしれない」ということ。男には理解し難い女性特有の美意識や恋愛感が散りばめられた、その昔の『ベルサイユのばら』などに感じた違和感とどこか似ているのだ。

 マリーが好きだったというピンクを基調にした色使いや、本物のベルサイユ宮殿を使ったロケなど、ビジュアル的には面白いと思いつつも、ちょっと勘弁という感じがどうしても消えなかった。

ビッグイシュー日本版 第63号

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【インタビュー】『パパは奮闘中!』ギヨーム・セネズ監督

2019-05-03 10:32:35 | BIG ISSUE ビッグイシュー

『THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本版』358号に『パパは奮闘中!』のギヨーム・セネズ監督のインタビュー記事掲載

 

街で販売員の方を見掛けましたら、ぜひお買い上げください。

THE BIG ISSUE JAPAN
https://www.bigissue.jp/

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「江戸あばんぎゃるど」『ひろしま 石内都・遺されたものたち』

2019-01-18 08:51:10 | BIG ISSUE ビッグイシュー

 日本の古美術品のコレクターである6人のアメリカ人の姿を通して、日本美術の魅力に迫るNHKドキュメンタリー「江戸あばんぎゃるど」を見た。

 監督のリンダ・ホーグランドさんには、原爆遺品について描いた『ひろしま 石内都・遺されたものたち』というドキュメンタリー映画の公開に際してインタビューをした。日本映画の字幕翻訳家でもある彼女が撮る日本の姿はいつもユニークだ。

『ビッグイシュー日本版』219号から↓

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ポール・マッカートニーの「ユア・シックスティーン」(ビッグイシュー日本版)

2018-05-17 07:11:54 | BIG ISSUE ビッグイシュー

 以前、よく原稿を書かせていただいた『ビッグイシュー日本版』。最新号(335号)のスペシャルインタビューはポール・マッカートニーだった。

 

 ポールが「16歳の自分」をテーマに、ジョンや、曲作り、家族、そして“不思議な夢”について語っている。
 リンゴが歌った「ユア・シックスティーン」にポールが参加していたことを思い出した。

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【インタビュー】『皆さま、ごきげんよう』オタール・イオセリアーニ監督

2016-12-15 13:36:17 | BIG ISSUE ビッグイシュー

 『THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本』301号『皆さま、ごきげんよう』のオタール・イオセリアーニ監督へのインタビュー記事掲載。

 

 この映画は、乾いたユーモアと皮肉、反骨精神、一人の役者が何役も演じる姿など、落語の世界を思わせるところもある不条理劇。

 たばこをプカプカ、グラスを片手にマイペースのイオセリアーニ翁は81歳。無声映画に始まり、音楽の使い方、黒澤明の『七人の侍』、リメイク映画への批判など、まるでこの映画さながらに、次々と話題をコラージュさせながら語ってくれが、スペースの関係上、そのうちのごくわずかしか紹介できないのが残念だった。

 表紙はザ・ローリング・ストーンズ。街で販売員の方を見掛けましたら、ぜひお買い求めください。

ビッグイシュー日本のホームページは↓
http://www.bigissue.jp/latest/index.html

クリックすると拡大します↓

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『皆さま、ごきげんよう』オタール・イオセリアーニ監督に取材

2016-11-10 14:55:17 | BIG ISSUE ビッグイシュー

 『皆さま、ごきげんよう』のオタール・イオセリアーニ監督にインタビュー取材。



 映画の舞台はパリ。アパートの管理人をする武器商人と、骸骨集めが趣味の人類学者は悪友同士。彼らの周りに集まる一癖も二癖もある人々が織り成す人間模様を、81歳のイオセリアーニ監督が軽やかに描く。乾いたユーモアと皮肉、反骨精神、一人の役者が何役も演じる姿など、落語の世界を思わせるところもある。

 イオセリアーニ監督はたばこをプカプカ、グラスを片手にマイペース。無声映画に始まり、音楽の使い方、黒澤明の『七人の侍』、リメイク映画への批判など、まるでこの映画さながらに、次々と話題をコラージュさせながら語ってくれた。

 それはそれで楽しいのだが、なかなか本題に入らず、こちらは時間がなくなるのでないかとひやひやさせられた。何とも食えないじいさんでした。

 詳細は後ほど。

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【インタビュー】『手紙は憶えている』のアトム・エゴヤン監督

2016-11-03 09:50:54 | BIG ISSUE ビッグイシュー

 『THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本』298号『手紙は憶えている』のアトム・エゴヤン監督へのインタビュー記事掲載。

 70年前、アウシュビッツ収容所で家族を殺された90歳のセヴ(クリストファー・プラマー)は、収容所仲間のマックス(マーティン・ランドー)が書いた手紙を頼りに復讐の旅に出る。

 認知症を患うセヴは、果たして目的を果たすことができるのか…というストーリーだ。

 重いテーマを描いているが、ミステリーと一人の老人の旅の物語を融合させた娯楽作として見ることもできる。監督の話の端々からヒッチコックが大好きなことが伝わってきた。

 表紙は『ベスト・フレンド』の日本版主題歌を歌った平原綾香。街で販売員の方を見掛けましたら、ぜひお買い求めください。

 ビッグイシュー日本のホームページは↓
http://www.bigissue.jp/latest/index.html

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『カティンの森』

2016-10-12 10:00:23 | BIG ISSUE ビッグイシュー

ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダが亡くなった。

彼の映画については熱心なファンではなかったが、
晩年の傑作である『カティンの森』について
『THE BIG ISSUE JAPAN 134号』でレビューを書いた。
http://www.bigissue.jp/backnumber/bn134.html

追悼の意を込めてここに転載する。

クリックすると拡大します。↓



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『手紙は憶えている』のアトム・エゴヤン監督

2016-09-30 20:47:51 | BIG ISSUE ビッグイシュー

 『手紙は憶えている』のアトム・エゴヤン監督に電話インタビュー(もちろん通訳を介して)。

 70年前、アウシュビッツ収容所で家族を殺された90歳のセヴ(クリストファー・プラマー)は、収容所仲間のマックス(マーティン・ランドー)が書いた手紙を頼りに復讐の旅に出る。

 認知症を患うセヴは、果たして目的を果たすことができるのか…というストーリーだ。

 重いテーマを描いているが、ミステリーと一人の老人の旅の物語を融合させた娯楽作として見ることもできる。監督の話の端々からヒッチコックが大好きなことが伝わってきた。

 詳細は後ほど。

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【インタビュー】『歌声にのった少年』ハニ・アブ・アサド監督

2016-09-16 20:56:02 | BIG ISSUE ビッグイシュー

『THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本』295号
『歌声にのった少年』のハニ・アブ・アサド監督へのインタビュー記事掲載。

 

実在のパレスチナ・ガザ地区出身の歌手、ムハンマド・アッサーフの半生を映画化。
『パラダイス・ナウ』(05)『オマールの壁』(13)と本作は、コインの表と裏(生と死)を描いた三部作だそうだ。
監督は「この映画をパレスチナへの窓として見てみてほしい」と語っていた。

表紙は『われらが背きし者』のユアン・マクレガー。
街で販売員の方を見掛けましたら、ぜひお買い求めください。

ビッグイシュー日本のホームページは↓
http://www.bigissue.jp/latest/index.html

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