70年代を感じさせる西部劇
1970年代に入ると、もはや西部劇の時代は去っていましたが、この映画や『さすらいのカウボーイ』(71)のように新感覚で作られた西部劇の佳作が何本か生まれました。
この映画のストーリーは、16歳の少年ベンがカウボーイを志願し、“カルペッパーさん(ビリー・グリーン・ブッシュ)のキャトル・カンパニー”(これが映画の原題)の一員となるのですが、やがてカウボーイとしての生活や銃のむなしさに気付いて母のもとへ戻るというもの。
西部劇というよりも若者の成長物語や青春映画の趣があります。ベンを演じたのは『おもいでの夏』(71)のゲーリー・グライムズ。彼には“永遠の少年”というイメージがありますね。
監督は元写真家のディック・リチャーズでこれがデビュー作。逆光やセピアカラーを活用した撮影が見どころです。
グリーン・ブッシュのほか、ジェフリー・ルイス、ルーク・アスキュー、ボー・ホプキンスなど、70年代に活躍した脇役たちが多数出演しています。その意味でも70年代という時代を感じさせる西部劇になっています。