『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
男たちが間抜けに見えるところが肝心な
『オーシャンズ8
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1159980
『スカイスクレイパー』(18)(2018.8.9.TOHOシネマズ六本木)
イーサン・ハント対ザ・ロックが見たくなる
元FBI人質救出部隊のリーダー、ウィル(ドウェイン・ジョンソン)。ある事件の爆発事故で片足が義足となった彼は、今は香港にある世界最高峰のビル「ザ・パール」に家族と共に住み、ビルのセキュリティを担当していた。そんな中、謎の一団がパールに大火災を発生させる。ウィルはビル内に取り残された家族を救うため孤軍奮闘する。
基になったのは、監督・脚本のローソン・マーシャル・サーバーの「世界で一番高い建物で火災が起き、主人公の家族は火災現場より上の階に取り残される。しかも主人公はビルの外にいる」というシンプルなアイデアだったという。
そこにスタッフが「主人公は火災の犯人にされてしまう。だから彼は家族を救うためにビルの中に入る方法だけでなく、犯人を捜して火災を食い止め、自らの疑いを晴らし、ビルから脱出する方法も考えなければならない。しかもたった1日の間に…」という具合に、難題を肉付けをしていったらしい。
というわけで、『タワーリング・インフェルノ』(74)+『ダイ・ハード』(88)+『逃亡者』(93)を、ジョンソン一人でやってのけたところもすごいのだが、普通の彼なら面白くないとばかりに、さらに義足というハンディキャップまで付けたところがミソ。
製作は「キングコング」「ゴジラ」「パシフィック・リム」「ジュラシック・ワールド」シリーズなどを送り出したレジェンダリー・ピクチャーズ。子供も喜ぶような題材で、常に娯楽に徹する姿勢と、大作の中に残るいかがわしさは、80年代のキャノン・フィルムズをほうふつとさせる。
ただ、元プロレスラーのジョンソンは、もちろん大変な肉体派ではあるのだが、80年代のスタローンやシュワちゃん、それに続いたセガール、ヴァンダムなどの格闘家系とも違う、独特のキャラクターを持っている。
肉体を酷使する、偉大なる大ばか者同士として、イーサン・ハント(トム・クルーズ)対ザ・ロック(ジョンソン)の対決を、ぜひ見てみたいと思った。レジェンダリーならやりかねないと期待したりして…。