当時の興奮がよみがえる
1980年のテニスのウインブルドン選手権決勝、ビョルン・ボルグ対ジョン・マッケンローの死闘をクライマックスに、2人のそれまでの道のりや葛藤を描く。ビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスの試合を描いた『バトル・オブ・セクシーズ』に続く実録テニス映画の公開だ。
まず、スベリル・グドナソンとシャイア・ラブーフが、若き日のボルグとマッケンローを見事に再現していることに驚かされた。その2人が躍動する、カメラワークを工夫した試合のシーンを見ていると、当時、実際の試合を衛星生中継で見た興奮がよみがえってきた。
この映画は、『ラッシュ/プライドと栄光』(13)のF1レーサー、ジェームス・ハントとニキ・ラウダにも似た、対照的なライバル同士の関係の妙が見どころだが、同時に、皇帝と悪童、氷と炎など、正反対のように言われた2人が、実は直情型で短気なところなどはよく似ていたということも明かされる。ボルグを見ていると、感情の抑制について考えさせられるところがある。
ところで、70年代末から80年代初頭にかけてのテニス界は、この2人にジミー・コナーズを加えた、いわゆる三つ巴の様相を呈していた。そこに、例えばボクシングのモハメド・アリとジョー・フレイジャーとジョージ・フォアマン、あるいはマービン・ハグラー、トーマス・ハーンズ、ロベルト・デュラン、シュガー・レイ・レナードの相関関係が重なって見える。
ライバルがいてこそ互いが引き立つのだ。そして、これはスポーツに限ったことではないが、ライバル同士にしか分からない不思議な連帯感や友情があることを、この映画を見ながら改めて知らされた。
1980年のテニスのウインブルドン選手権決勝、ビョルン・ボルグ対ジョン・マッケンローの死闘をクライマックスに、2人のそれまでの道のりや葛藤を描く。ビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスの試合を描いた『バトル・オブ・セクシーズ』に続く実録テニス映画の公開だ。
まず、スベリル・グドナソンとシャイア・ラブーフが、若き日のボルグとマッケンローを見事に再現していることに驚かされた。その2人が躍動する、カメラワークを工夫した試合のシーンを見ていると、当時、実際の試合を衛星生中継で見た興奮がよみがえってきた。
この映画は、『ラッシュ/プライドと栄光』(13)のF1レーサー、ジェームス・ハントとニキ・ラウダにも似た、対照的なライバル同士の関係の妙が見どころだが、同時に、皇帝と悪童、氷と炎など、正反対のように言われた2人が、実は直情型で短気なところなどはよく似ていたということも明かされる。ボルグを見ていると、感情の抑制について考えさせられるところがある。
ところで、70年代末から80年代初頭にかけてのテニス界は、この2人にジミー・コナーズを加えた、いわゆる三つ巴の様相を呈していた。そこに、例えばボクシングのモハメド・アリとジョー・フレイジャーとジョージ・フォアマン、あるいはマービン・ハグラー、トーマス・ハーンズ、ロベルト・デュラン、シュガー・レイ・レナードの相関関係が重なって見える。
ライバルがいてこそ互いが引き立つのだ。そして、これはスポーツに限ったことではないが、ライバル同士にしか分からない不思議な連帯感や友情があることを、この映画を見ながら改めて知らされた。