田中雄二の「映画の王様」

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藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「藤子不二雄の夢カメラ」

2023-06-08 10:16:23 | テレビ

 同じく、藤子・F・不二雄のSF短編で、願い事を込めてシャッターを押すと、思いがかなってしまうという不思議なカメラを描いた「夢カメラ」が、当時のアイドルと一流の脚本家を使ってオムニバスドラマ化されていた。

「フジテレビ・月曜ドラマランド」「藤子不二雄の夢カメラ」(1986.3.3.)
第1話「不思議少女・サヨコ」中山美穂/脚本・金子成人
第2話「しあわせの黒い鳥」荻野目洋子/脚本・松原敏春
第3話「じゃんけんぽん」小泉今日子/脚本・市川森一

『フジテレビ・月曜ドラマランドひな祭りスペシャル』「藤子不二雄の夢カメラ2」(1987.3.2.)
第1話「ブルートレイン・ブルース」南野陽子/脚本・松木ひろし
第2話「さ・よ・な・らジゴロ」富田靖子/脚本・中島丈博
第3話「闇からの訪問者」三田寛子/脚本・山元清多

 ストーリーテラー的な役割としてイッセー尾形がいろいろな役で全6エピソードに登場した。原作とはだいぶ違っていた印象があるが、今見たらいろいろな意味で、懐かしく感じるのだろうなあ。

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『魔女の香水』

2023-06-08 09:27:26 | 新作映画を見てみた

『魔女の香水』(2023.6.6.オンライン試写)

 華やかなセレブが集まるバンケットホールで派遣社員として働く若林恵麻(桜井日奈子)は、正社員になって一流の仕事をすることを目指していたが、後輩へセクハラ行為を行った上司に抗議したことで失職する。

 自暴自棄に陥った彼女は、偶然出会った夜の街のスカウトマン(落合モトキ)に連れられ、「魔女さん」と呼ばれるミステリアスな白石弥生(黒木瞳)が営む香水店を訪れる。その店を手伝うことになった恵麻は、金木犀の香りをまとった実業家の横山蓮(平岡祐太)と出会う。

 これは香水をテーマに1人の女性の成長を描いた一種のファンタジーなのか…。香水に関するうんちくには「へえ~」と思うところもあったが、安易なストーリー展開と底の浅い人物設定によって、卑屈なまでに上昇志向がある主人公にも、訳ありの香水店主にも、誰一人として感情移入できる人物がいない。

 というか、いけ好かない勘違い人間ばかりが出てきて、人の神経を逆なでするような行動を取る。特に男たちの描き方がひど過ぎる(唯一、若い頃の石立鉄男にちょっと似た感じの落合モトキの存在が面白かったが)。

 これは監督・脚本の宮武由衣のせいなのか。否、多分、女性経営者団体の代表だという製作者の意向が大きく反映された結果なのだろうと推測する。これは、ある意味、自己啓発のにおいがする彼女の“私映画”だったのではないか。

 仕事絡みで仕方なく見た映画だったが、久しぶりに「時間を返せ」と思ってしまった。

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