『ディスタービア』(2007.9.21.パラマウント試写室)
父親を交通事故で亡くしたショックから自暴自棄になったケイル(シャイア・ラブーフ)は、学校で教師を殴り、裁判所から3カ月間の自宅軟禁処分を言い渡される。足首に監視システムを付けられ、自室から出ることができなくなった彼は、暇つぶしに近隣住民へののぞきを始める。
ディスタービアとは「郊外」と「不安」を合わせた造語らしい。だからこの映画は身動きができなくなった若い主人公がのぞきを楽しむ“郊外形の『裏窓』”プラス青春ものといった感じ。
『スクリーム』(96)や『ラストサマー』(97)にも近い味わいがあって、小品の佳作としてなかなか面白く仕上がっている。バーナード・ハーマン風の音楽もいい。主人公の足を事故で悪くするのではなく、現代風の監視システムという足かせを付けたアイデアが秀逸。J・D・カルーソーという監督の今後には期待が持てそうだ。
【今の一言】期待のカルーソーはあまり伸びなかった。