『1941』(79)(1980.9.22.渋谷パレス.併映は『がんばれ!! タブチくん!!第2弾 激闘ペナントレース』)
1941年、日本軍が真珠湾攻撃を行った日から6日後の南カリフォルニアを舞台に、日本軍が攻めてくるという恐怖の中での住民たちの1日の行動を描いたコメディ。
『ジョーズ』(75)のパロディで始まり、次から次へとぶっ壊しの連続。監督のスピルバーグや製作のジョン・ミリアスの意図したところは、戦争のばからしさということだったのか。あるいは本当に何も考えていないただのお遊び映画だったのか。
そのどちらなのか、真相は分からないが、『激突!』(71)や『ジョーズ』で特別な恐怖を、『続・激突!カージャック』(74)できらりと光るものを、そして『未知との遭遇』(77)では感動を与えてくれたスピルバーグの映画とはとても思えない出来。はっきり言ってばらばらなのである。
まあ、コメディ映画本来の、笑っているうちにいつの間にか終わるという感じはあるが、そして多彩な出演者たちを見られる楽しみもあるのだが…。中でも「ハリウッド!」と叫ぶ清水宏はおかしかった。ヒット作の実績があるとはいえ、若い監督に莫大な金を使わせて、こんな映画を作らせるハリウッドのすごさをまざまざと感じさせられた。
【今の一言】この映画で、自分にはコメディには不向きだと悟ったスピルバーグは、以後、コメディタッチの作品では自分は製作に回り、ほかの監督に撮らせている。そのおかげで、この映画の脚本を書いたロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)をものにした。
『HEY!スピルバーグ』
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『アメリカ上陸作戦』
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『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』
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