『カンバセーション…盗聴…』(73)
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『地獄の黙示録』(79)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7aa55490013bc2c9808a32194c8eb7b7
『ワン・フロム・ザ・ハート』(82)(1982.9.16.渋谷文化)
見る前にさまざまな不評を耳にした。そして、確かに前半は、自分も納得ができない映画だという気がしていた。映像の美しさは認めるにしても、そこで展開する何ともとりとめのないラブストーリーに違和感を抱かされたのである。
ただ、これは全編をラスベガスを模した街並みを再現したセットで撮影し、映画の中にビデオを入れ込むという新たな試みをコッポラが実験的に行ったのだと思い直せば、ストーリーの粗雑さはさておき、美しい映像とトム・ウェイツとクリスタル・ゲイルの歌声に素直に酔っていればいいのかもしれない。
そう思うことで、自分自身を納得させ、もう一度映画の中に入り込んでみたら、不思議なことに、面白くないと思っていた映画が輝き始めた。つまり、自分の中から現実感を取り去った時に、初めてこの映画の中に入り込めたのだ。
実際、この映画の内容は、男と女の愛の難しさ、悲しさをベースに作られているのだが、どこまでが夢で、どこからが現実なのか…という不思議なストーリーになっているし、全体がセットで撮影されているため、ばかばかしいと思いながら見れば、これほどうその世界に見えてしまう映画も珍しい。
だが、いったんこの映画の持つ不思議な魅力がある世界に入り込めば、あとは深く考えずに、見続ければいいのだ。きっとこの映画を酷評した人たちは、あまりにも人工的な美しい映像の中で繰り広げられる男女の愛憎劇にアンバランスなものを感じたのではないだろうか。
フレデリック・フォレストとテリー・ガーの新たな魅力を発見した。
【今の一言】まあ支離滅裂な映画ではあるので、40年前の自分の文章も支離滅裂、と言い訳を。
『ワン・フロム・ザ・ハート』
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