田中雄二の「映画の王様」

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「奥さまは魔女」のダーリンなど、柳沢慎一

2023-06-28 16:36:40 | テレビ

 残念ながらジャズ歌手やボードビリアンとしての全盛期は知らないので、洋画やドラマでの達者な吹き替えのイメージが強い。

 例えば、洋画では『腰抜け二挺拳銃』(48)のボブ・ホープ、『虹を掴む男』(47)のダニー・ケイ、『皇帝円舞曲』(48)のビング・クロスビー、『ポケット一杯の幸福』(61)のグレン・フォード…。

 ドラマは、しゃべる馬の「ミスター・エド」(61)のエドの飼い主、そして何と言っても「奥さまは魔女」(64~72)の主人公サマンサ(エリザベス・モンゴメリー=北浜晴子)の夫ダーリン・スティーブンス(ディック・ヨークとディック・サージェント)役が印象に残っている。

 サマンサの母エンドラ(アグネス・ムーアヘッド=北原文枝)、ダーリンの会社の社長ラリー・テイト(デビッド・ホワイト=早野寿郎)との丁々発止のやり取りが面白かった。ナレーションの中村正も忘れ難い。

 ほかには、人形劇「ひょっこりひょうたん島」の海賊トーヘンボクも。

 実写ドラマでは、山本周五郎の『人情裏長屋』を原作とした、高橋英樹主演の時代劇「ぶらり信兵衛 道場破り」(73~74)がある。これは江戸時代の「十六店(じゅうろくだな)」という裏店長屋を舞台にした人情喜劇。柳沢は長屋の住人で、銀太(渡辺篤史)とコンビ組む駕籠かきの金太を演じていた。

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『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

2023-06-28 10:24:21 | 新作映画を見てみた

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023.6.27.TOHOシネマズ新宿.公開直前イベント)

 ザ・ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」が流れ、アポロ11号の月面着陸で沸く1969年。考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)の前に、旧知のヘレナ(フィービー・ウォーラー・ブリッジ)が現れ、インディが若き日にヘレナの父バジル(トビ―・ジョーンズ)と共に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」について語る。

 それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝であり、その秘宝を巡って、インディは因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)を相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることになる。

 「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作。前作から15年ぶりの新作となり、前4作を監督したスティーブン・スピルバーグはジョージ・ルーカスとともに製作総指揮に回り、ジェームズ・マンゴールドが監督を引き継いだ。音楽はおなじみのジョン・ウィリアムズ。サラー役のジョン・リス・デイビスがカムバックし、アントニオ・バンデラスも登場。そしてラストには、あっと驚くあの人も…。

 このシリーズは、毎回とんでもない秘宝が登場するが、今回も「アンティキティラ」という「運命のダイヤル」の奪い合いが、第2次大戦末期の1945年と、この映画の現在である69年という二つの時代で描かれる。

 というわけで、CGの助けを借りた若き日のインディと実年齢とクロスする69年のインディをフォードが演じ分けているのだが、それが『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(81)からの40年という月日の流れとも重なって見えるところがあり、感慨深いものがあった。

 そして、冒頭の連続アクション、敵はナチスドイツ、秘宝の奪い合い、勝ち気な女性相棒と少年、車やバイク、飛行機によるチェイス、乗馬、超常現象など、シリーズに一貫する“決まりごと”をきちんと踏襲し、連続性を感じさせるところがいい。

 また、前作『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(08)のときは、スピルバーグの演出にスピード感の衰えを感じたので、今回のマンゴールドへの交代は正解だと思った。

 秘宝の特性、フォードの風貌の変化、ちょっと泣けるラストも含めて、この映画のキーワードは“時の流れ”だろう。ハリソン・フォードの“最後のインディ・ジョーンズ”としては、実にいい形での幕引きになったと思う。


「インディ・ジョーンズ」シリーズ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/eb96bbaf421200c455587aab28f33161

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