残念ながらジャズ歌手やボードビリアンとしての全盛期は知らないので、洋画やドラマでの達者な吹き替えのイメージが強い。
例えば、洋画では『腰抜け二挺拳銃』(48)のボブ・ホープ、『虹を掴む男』(47)のダニー・ケイ、『皇帝円舞曲』(48)のビング・クロスビー、『ポケット一杯の幸福』(61)のグレン・フォード…。
ドラマは、しゃべる馬の「ミスター・エド」(61)のエドの飼い主、そして何と言っても「奥さまは魔女」(64~72)の主人公サマンサ(エリザベス・モンゴメリー=北浜晴子)の夫ダーリン・スティーブンス(ディック・ヨークとディック・サージェント)役が印象に残っている。
サマンサの母エンドラ(アグネス・ムーアヘッド=北原文枝)、ダーリンの会社の社長ラリー・テイト(デビッド・ホワイト=早野寿郎)との丁々発止のやり取りが面白かった。ナレーションの中村正も忘れ難い。
ほかには、人形劇「ひょっこりひょうたん島」の海賊トーヘンボクも。
実写ドラマでは、山本周五郎の『人情裏長屋』を原作とした、高橋英樹主演の時代劇「ぶらり信兵衛 道場破り」(73~74)がある。これは江戸時代の「十六店(じゅうろくだな)」という裏店長屋を舞台にした人情喜劇。柳沢は長屋の住人で、銀太(渡辺篤史)とコンビ組む駕籠かきの金太を演じていた。