『ベネデッタ』(2023.2.13.オンライン試写)
17世紀、ペシア(伊トスカーナ)の町。聖母マリアと対話し、奇跡を起こすとされる少女ベネデッタは、6歳で出家してテアティノ修道院に入る。純粋無垢なまま成人した彼女(ビルジニー・エフィラ)は、修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助け、秘密の関係を深めていく。
そんな中、ベネデッタは聖痕を受けてイエスの花嫁になったとみなされ、新たな修道院長に就任。民衆から聖女と崇められ強大な権力を手にするが、レズビアン主義を告発され、裁判にかけられる。そして街には黒死病(ペスト)が流行して…。
ポール・バーホーベン監督が、実在の修道女ベネデッタ・カルリーニの数奇な人生と彼女に翻弄される人々を描く。共演にシャーロット・ランプリング。
スキャンダラスで宗教色が強く、キリスト教にあまりなじみがない日本人には理解し難いものがある。そんなこの映画の焦点となるのは、ベネデッタは本当に聖痕を受けたのか、それとも狂言なのかということだ。
これについてバーホーベン監督は「『トータル・リコール』(90)で、アーノルド・シュワルツェネッガーが経験する物語は夢か現実か、どちらの解釈も成り立つ。『氷の微笑』(92)で、殺人者はシャロン・ストーンだったのか、それとも他の女だったのか? それは分からない。人生においては、物事には複数の見方があり、人にはみな独自の主観的な真実があると思っている。だから観客がそれぞれに決めればいい」と、過去の自作を例に出して語ったという。
まあ、そう言われれば、バーホーベンの中では貫くものがあったのだろうとは思うのだが、正直なところ、自分にとっては「ちょっと勘弁」というタイプの映画だった。
『トータル・リコール』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/970a130abc33708c019f603aed77ce1c
『氷の微笑』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1596897b69a7d4375095a2efa5d91c68
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