「STEVEN SPIELBERG,THE NEW HOLLYWOOD Prodigy」(24・仏・独・ルクセンブルク)
ハリウッドを代表する映画監督でプロデューサーのスティーブン・スピルバーグ。半世紀以上にわたり第一線で活躍を続けてきた彼が、自らの人生と映画、創作の源を明かすドキュメンタリー。
「私の映画はどれも個人的で多くは家族がテーマ」と語るスピルバーグ。人格形成期に体験した両親の離婚や、ユダヤ系アメリカ人であるために味わった差別など、心の傷を反映した作品を多く手がけてきた。映画を作ることで傷を乗り越えてきたスピルバーグが「最後の秘密」を明かす。
自伝的な『フェイブルマンズ』(22)は言わずもがなだが、例えば、『未知との遭遇』(77)の主人公でUFOを目撃したことでおかしくなる電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)の家庭は崩壊。サブ主人公のジリアン(メリンダ・ディロン)はシングルマザー。『E.T.』(82)の主人公の母メアリー(ディー・ウォレス)も事実上はシングルマザーだ。これらはスピルバーグ自身の両親の姿を反映させたものだろう。
一方、『ポルターガイスト』(82)『グレムリン』(84)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)『ハリーとヘンダスン一家』(87)といった製作に回った映画の家族は両親がそろっているのも偶然とは思えない。
ここに「インディ・ジョーンズ」シリーズの根底に流れる“ナチス嫌い”も含めて考えると、スピルバーグはSFファンタジーや冒険活劇の奥に個人的な思いを潜ませてきた監督だと言えるだろう。
『レディ・プレイヤー1』祭り
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