田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『映画の森』「2018年10月の映画」

2018-10-23 10:30:00 | 映画の森
共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)10月22日号で、
『映画の森』と題したコラムページに「10月の映画」として5本を紹介。
独断と偏見による五つ星満点で評価した。

“黒澤映画の影”が見え隠れする『散り椿』☆☆☆
“西洋版の落語”として楽しめる『チューリップ・フィーバー』☆☆☆
地味な大統領の知られざる素顔と功績『LBJ ケネディの意志を継いだ男』☆☆☆
少女の心の成長を真摯に描く『バーバラと心の巨人』☆☆☆
全編がパソコンの画面で展開する『Search サーチ』☆☆☆

クリックすると拡大します↓


WEB版はこちら↓
https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2018-10-23_1937856/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

穂積隆信、田中信夫 名声優の2人が逝く

2018-10-20 19:43:57 | 映画いろいろ
 テレビの吹き替え洋画を見て育った者にとっては忘れられない名声優の2人が亡くなった。



 気が弱くてよく泣く男、あるいは、やられ役や小悪党が十八番の穂積隆信。
 代表作は、「ベン・ケーシー」(61~66)のホフマン先生(ハリー・ランダース)、『荒野の七人』(60)のカルベラ(イーライ・ウォラック)、『真夜中のカーボーイ』(69)のラッツォ(ダスティン・ホフマン)、『激突!』(71)のドライバー(デニス・ウィーバー)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(85~89)のドク(クリストファー・ロイド)…。ドラマ「飛び出せ青春」(73~74)の教頭、「俺たちの旅」(75~76)のグズ六(秋野太作)の会社の部長も忘れ難い。



 ビック・モローとシドニー・ポワチエと言えば、この人、田中信夫。
 モローは「コンバット」(62~67)のサンダース軍曹から『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)まで。ポワチエの名作『手錠のまゝの脱獄』(58)『野のユリ』(63)『夜の大捜査線』(67)『招かれざる客』(67)…を思い出す時、ポワチエ本人の声よりも、この人の声の方が浮かんでくる。バート・レイノルズの諸作、「川口浩探検隊」のナレーションもこの人だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ほぼ週刊映画コラム】『嘘はフィクサーのはじまり』

2018-10-20 18:57:03 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

ユダヤ人社会の知られざる仕組みを描いた
『嘘はフィクサーのはじまり』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1167420
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヒッチコック・フェスティバル」から

2018-10-19 10:13:36 | 1950年代小型パンフレット
 こんな小型パンフレットもあった。



 1984年に行われた「ヒッチコック・フェスティバル」から、『裏窓』(54)『知りすぎていた男』(56)『めまい』(58)『ロープ』(48)『ハリーの災難』(55)『北北西に進路を取れ』(59)

 『北北西~』以外は、権利問題か何かで、しばらく映画館での上映やテレビ放映ができなかったものが、この時解禁されたと記憶している。映画自体の面白さはもちろん、『裏窓』のグレース・ケリー、『知りすぎていた男』のドリス・デイ、『めまい』のキム・ノバク、『ハリーの災難』のシャーリー・マクレーンと、女優たちの魅力に酔わされた。

 それぞれ、有楽シネマ、ニュー東宝シネマⅡ、有楽町スバル座、新宿ヴィレッジⅡで見たのだが、スバル座以外はもうない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

詐欺師グループ映画『スティング』

2018-10-18 10:30:36 | 映画いろいろ
 我が生まれ故郷の品川区五反田で起きた“幽霊怪奇旅館”「海喜館」をめぐる詐欺事件。地面師と呼ばれる詐欺グループの動静をニュースで見ながら、信用詐欺師グループによるコンゲームを描いた『スティング』(73)を思い出した。本物の事件は後味が悪いが、映画の方は愉快、痛快。



All About おすすめ映画『スティング』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/10d6f8555911b2abd0b5ba336453c64f
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『輪違屋糸里 京女たちの幕末』

2018-10-18 09:45:05 | 新作映画を見てみた
 『壬生義士伝』に続く浅田次郎原作の新選組外伝。



 幕末、壬生浪士組が新選組へと転化していくさまを、土方歳三(溝端淳平)を慕う京・島原輪違屋の天神・糸里(藤野涼子)、平山五郎(佐藤隆太)の恋人で桔梗屋天神の吉栄(松井玲奈)、芹澤鴨(塚本高史)の愛人・お梅(田畑智子)といった女性の視点から描く。
 
 クライマックスは、土方らによる、芹澤、平山の暗殺だが、それに協力した女たちがいたというのは浅田流の新解釈か。この人の小説は、事実に創作を盛り込むところが真骨頂だ。芹澤の屈折を巧みに表現した塚本と、撮影当時は、まだ16歳だった藤野の熱演が印象に残る。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ガンヒルの決斗』のパンフレットを入手 ジョン・スタージェスのことを

2018-10-17 12:55:55 | 1950年代小型パンフレット

   

    

 この中の、ジョン・スタージェス監督の紹介記事に、「ジョン・スタージェス西部劇の特色」として、1.サスペンスを狙った手の込んだ構成、2.アクション場面の新鮮なテクニック、3.登場人物の心理に焦点を置いた演出、という記述があった。

 また、双葉十三郎さんが「ジョン・スタージェスと決斗三部作」という記事の中で、「ジョン・スタージェス西部劇の魅力は、新鮮な感覚と鋭い切れ味のアクション、一つの作品に新種の面白い趣向を凝らす点だ」と記している。

 その例として、『ブラボー砦の脱出』(53)のインディアンがくぼ地に矢の雨を降らせるシーンや、『日本人の勲章』(55)の現代の西部劇という着想や、ワイドスクリーンを生かしたロングショットなどを挙げ、この映画では、汽車やショットガンの使い方、キャロリン・ジョーンズ演じるユニークな女性像がそれに当たると書いている。

 それらに勝手に補足すれば、『六番目の男』(56)は、ミステリー仕立ての仕組み、リチャード・ウィドマークの身のこなしの良さを生かし、巧みに撃ち合いを入れ込んだアクション、ロケを多用したロードムービーとしての面白さ、となるだろう。

 『OK牧場の決斗』(57)は、フランキー・レインの歌を効果的に使った一種の“ミュージカル講談”としての構成や、カーク・ダグラス演じるドク・ホリディの魅力的な人物造形がそれに当たるだろう。

 また『ゴーストタウンの決斗』(58)の構成は、捻りの効いた切れのいいアクションが見どころの道中記であり、ヘンリー・シルバの屈折した悪役像もユニークだ。

 『OK牧場の決斗』以外は、いずれも90分前後で片が付く。内容を入れ込み過ぎて整理がつかなくなり、ただ長くなるだけの最近の映画とは大違いなのである。

 ところで、スタージェスつながりの蛇足として、『荒野の七人』(60)の中で、スティーブ・マックィーン演じるヴィンが語るこんな例え話が大好きだ。

「10階から落ちた奴がいて、そいつは1階ごとに『まだ大丈夫だ』って声を掛けながら落ちていったんだと」
「昔、裸でサボテンに飛び込んだ奴がいた。なぜそんなことを、って聞いたら、その時はそれでいいと思ったんだそうだ」

ウエスタン・ユニオン・特急便 第4号 『荒野の七人』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7afe87fbf4ebcab2aac7bc6ac20e715b

ロバート・ボーンと『荒野の七人』そして『マグニフィセント・セブン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d79de621b6cf13f750259e78e6ebfa87

 『20世紀の映画監督名鑑』(99)で書いたジョン・スタージェスのプロフィールは↓

『ガンヒルの決斗』パンフレット(59・東宝事業課(日比谷映画劇場 No59-15))の主な内容
九十年前の機関車が走る、本物そのままの西部の町を再建/かいせつとものがたり/主演者二人の横顔カーク・ダグラス、アンソニー・クイン/「ガンヒルの決斗」の面白さ(深沢哲也)/ジョン・スタージェスと決斗三部作(双葉十三郎)/監督ジョン・スタージェス/ジバ・ロダン、アール・ホリマン、カロリン・ジョーンズ

『ブラボー砦の脱出』パンフレット(54・新世界出版社(AMERICAN MOVIE WEEKLY))の主な内容
解説・物語・アンスコカラーの長所を発揮した『ブラボー砦の脱出』(野口久光)/スター・メモ(ウィリアム・ホールデン、エリナー・パーカー、ジョン・フォーサイト)映画サロン貴方と私『ブラボー砦の脱出」を中心に(淀川長治)ウィリアム・ホールデンの魅力
 
『日本人の勲章』パンフレット(55・外国映画社(フォーレン・ピクチャー・ニュース))の主な内容
解説/物語/鮮やかな構成・演出・演技(原安佑)/スペンサー・トレイシイ、アン・フランシス/日本人の勲章に集められた米紙の批評
 
『OK牧場の決斗』パンフレット(57・外国映画出版社)の主な内容
解説/実説ワイアット・アープ/ストーリー/バート・ランカスター、ロンダ・フレミング、ジョー・ヴァン・フリート、カーク・ダグラス、監督ジョン・スタージェス/製作ゴシップ
 
『ゴーストタウンの決斗』パンフレット(58・東宝事業部(浅草大勝館))の主な内容
監督ジョン・スタージェス紹介/かいせつ/ものがたり/ロバート・テイラー、リチャード・ウィドマーク、パトリシア・オーエンス/この映画に寄せられた讃辞/短評
 
『荒野の七人』パンフレット(76・松竹事業部))の主な内容
解説/ストーリー/スチーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ボーン、ブラッド・デクスター、ホルスト・ブッフホルツ、ユル・ブリンナー、監督ジョン・スタージェス
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『この道』

2018-10-15 10:54:56 | 新作映画を見てみた
 童謡誕生100年記念作品(何をもって童謡の起源とするのだろうか)として、詩人・作詞家の北原白秋(大森南朋)の半生を、作曲家・山田耕筰(AKIRA)との共同作業を中心に描く。



 白秋を偉人ではなく、今で言う“ダメンズ”として描く半面、彼のリズム感にあふれた詩を、ラップのように解釈しているところが面白い。ただ、「からたちの花」と「この道」にスポットを当て過ぎた気もする。もっと他の歌も扱えば、彼らの共同作業の多面性が描けたはずだと思うのだが…。

 また、白秋を中心に、与謝野鉄幹(松重豊)、晶子(羽田美智子)、鈴木三重吉(柳沢慎吾)ら、明治後期から大正の詩壇の群像が垣間見えるところもある。

 ちなみに彼らの生年は、白秋:1885(明治18)年、耕筰(1886)、鉄幹(1873)、晶子(1878)、三重吉(1882)の他、石川啄木(1886)、高村光太郎(1883)、萩原朔太郎(1886)、室生犀星(1889)、菊池寛(1888)となる。
 
 劇中、白秋と耕筰が、意にそわない校歌や社歌を多数作った場面が出てきたが、実はわが母校、高校の校歌は作詞・鉄幹、作曲・耕筰であり、大学の校歌は作詞・白秋、作曲・耕筰によるものだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旧作映画の小型パンフレット2

2018-10-15 09:58:52 | 1950年代小型パンフレット

 1985~86年頃、銀座文化(現シネスイッチ)で往年の名画を連続上映した際に、復刻発売されたパンフレットが手元に残っていたことを思い出した。

『オペラハット』(36)『スミス都へ行く』(39)『錨を上げて』(45)『第三の男』(49)『サンセット大通り』(50)『探偵物語』(51)『バンド・ワゴン』(53)『グレン・ミラー物語』(54)『麗しのサブリナ』(54)『王様と私』(56)『情婦』(57)『お熱いのがお好き』(59)『女房の殺し方教えます』(64)



 中には「“錨を上げて“とジーン・ケリイの創意(岡俊雄)」、「『麗しのサブリナ』ワイルダーの演出神経(飯田心美)」、「『お熱いのがお好き』ワイルダーは、おふざけが好き(淀川長治)」、「情婦』巧緻な演出になるクリスティの法廷ドラマ(植草甚一)」、「王様と私」の鑑賞(野口久光)などなど、興味深い記事が並ぶ。いまさらながら、公開当時を知るには、これはとてもいい資料だと思う。

 ところで、自分は真の古書コレクターではないので、内容さえ分かれば復刻版でも一向に構わないと思っていたのだか、最近、古書店などで安価で売られている“本物”を見ると、つい買ってしまう。昨日もこんなものを見つけた。これは困った傾向だ。

『必死の逃亡者』(55)『居酒屋』(56)『OK牧場の決斗』(57)『暴力教室』(55)『夜を逃れて』(57)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ほぼ週刊映画コラム】『バーバラと心の巨人』『ルイスと不思議の時計』

2018-10-12 20:06:54 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

ファンタジーの力を借りて、子どもたちの心の成長を描いた
『バーバラと心の巨人』と『ルイスと不思議の時計』

 

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1166524
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする