前作のラストで捕らえられた“黒い魔法使い”グリンデルバルド(ジョニー・デップ)が逃走。魔法学校の恩師ダンブルドア(ジュード・ロウ)の頼みを受けて、ニュート(エディ・レッドメイン)はパリに向かう。
シリーズ物の常だが、まずは前作の流れを思い出すのに一苦労する。前作のニューヨークに代わって、今回は1920年代のパリが舞台となるが、主人公たるレッドメインよりも、敵役のデップの方が目立ち過ぎる展開にいささか驚く。
グリンデルバルドが人間の愚かさの象徴として、この後起きる第2次大戦を見せるシーンがあるように、善悪の区別とは? 法とは? などを考えさせられるところもあるが、いずれにせよ、特撮なしでは描けないファンタジーはこれでは終わらず、またまた「つづく」なのである。
前作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/98fb63600ebb850d02c2ccdcc86d1e2c
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
本物の4人がそこに映っているかのような錯覚に陥る
『ボヘミアン・ラプソディ』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1169789
『トイズ』(92)の撮影にコレクションを提供し、『トイ・ストーリー』(96)の製作にも影響を与えた北原照久氏のコレクション。
お得意のブリキの玩具のゴジラたちやロボットのほか、『メトロポリス』(27)のアンドロイド・マリアのフィギュア、『地球の静止する日』(51)のパンフレットや、『禁断の惑星』(56)のポスターなども展示されていた。
変身したと思っている本人と周囲とのギャップで笑わせるシチュエーションコメディ。思い込みや勘違いから生じるおかしさを描きながら、人間は、考え方一つでポジティブになれるということを説く。脚本のうまさとシューマーの熱演が相まって、久しぶりに大笑いさせられた。
監督・脚本は『そんな彼なら捨てちゃえば!』(09)『バレンタインデー』(10)『ワタシが私をみつけるまで』(16)の脚本を書いたアビー・コーン&マーク・シルバースタイン。今回は1980年代の一人二役の入れ替わり映画、劇中にも登場する『ビッグ』(88)、あるいは『トッツィー』(82)を参考にしたという。
全米でコメディエンヌとして人気があるというシューマーのほか、『雨に唄えば』(52)のジーン・ヘイゲンのようにわざと悪声で演じた社長役のミシェル・ウィリアムズ、人のいいレネーの恋人役のロリー・スコヴェル、同僚役で西田敏行似のエイドリアン・マルチネス、かつての人気モデルのローレン・ハットンら、脇も面白いキャラクターが揃っていた。
ほとんどが本物だという全身刺青の囚人たち(誰が誰だかほとんど区別がつかない)が異様な雰囲気を醸し出す。加えて、最低限の字幕しか出さず、見る者に、ビリーが感じたであろう、人も言葉も分からぬ恐怖を味あわせる。『ミッドナイト・エクスプレス』(78)のトルコよりも、ひどい刑務所がタイに合ったという感じがした。
ビリー役のジョー・コールは熱演し、全編に異様なパワーが満ちているが、登場人物の誰にも共感、感情移入することができない。ストレートなバイオレンス描写なども含めて、生理的に駄目だという者も多いのではないかと思う。
ポール・マッカートニーの来日公演、今回は無事に終了しそうである。1980年の“成田騒動”から、ポールの日本公演にはいろいろと問題が起きるので、ファンとしては一安心。まあ、こちらは、2014年の「幻の国立競技場公演」を経て、翌年のお詫びツアーで、ポールのライブからは卒業したつもりでいたのだが、今回の両国国技館公演はちょっと見てみたかった気もする。いずれにせよ料金が高過ぎるよ。
ところで、ポールと映画と言えば、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(17)に、ポールがジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の伯父さん役でゲスト出演していた。その前には、ストーンズのキース・リチャーズがスパロウの父親役をやっていたから、ポールとキースは“兄弟”という設定になる。これはポールの「クイーニー・アイ」のクリップにデップが出てくれたことへの“お礼”なのだろうか。
また、2006年に、第一次大戦下の北フランス戦線を舞台に、クリスマスイブの一時休戦を描いた『戦場のアリア』を撮ったクリスチャン・カリオン監督にインタビューする機会があった。
その時、この話は、ひょっとしてポールの『パイプス・オブ・ピース』のビデオクリップで描かれた、第一次世界大戦下の戦場でのイギリス兵とドイツ兵(ポールの二役、ひげの方はちょっとデビッド・トムリンソンかテリー・トーマスに似ている)の交流話と、基は同じ話なのかと思い、カリオン監督に尋ねてみた。
すると監督は「そのビデオクリップのことは知っています。確か1984年に見たのですが、当時、私はこんな史実があることは知りませんでした。後になって『あー、あのクリップはこのことを語っていたんだ』と。実はポールをこの映画のプレミアに招待したのですが、残念ながら彼は忙しくて来られませんでした。代わりに『メリー・クリスマス、ポール・マッカートニー』と書かれた絵葉書をくれましたけど(笑)」と語った。
ポールのビデオクリップは映像的にも結構凝っているので、面白いものが多いのだ。
Pipe Of Peace Paul McCartney 1983
https://www.youtube.com/watch?v=TwyFTRGiIUU
『裸足の伯爵夫人』(54)監督ジョセフ・L・マンキーウィッツ、ハンフリー・ボガート、エバ・ガードナー
『赤と黒』(54)監督クロード・オータン・ララ、ジェラール・フィリップ、ダニエル・ダリュー
『日本人の勲章』(55)監督ジョン・スタージェス、スペンサー・トレイシー、ロバート・ライアン
『俺たちは天使じゃない』(55)監督マイケル・カーティス、ハンフリー・ボガート、ジョーン・ベネット
『いつも上天気』(55)監督スタンリー・ドーネン、ジーン・ケリー、シド・チャリシー
『夜の道』(57)監督ジェームズ・ニールソン、ジェームズ・スチュワート、オーディ・マーフィ
『海の壁』(57=58)監督ルネ・クレマン、シルバーナ・マンガーノ、アンソニー・パーキンス
『真夜中』(59)監督デルバート・マン、フレドリック・マーチ、キム・ノバク
『レ・ミゼラブル』(59)監督ジャン・ポール・ル・シャノワ、ジャン・ギャバン、ベルナール・ブリエ
『バファロー大隊』(60)監督ジョン・フォード、ジェフリー・ハンター、ウッディ・ストロード
妻から「そもそも、あなたの場合、どこまでが仕事でどこからが趣味なのかがよく分からない」と言われたが、それは自分でも分からない。困ったものだ。
『勇者のみ』(51=52)監督ゴードン・ダグラス、グレゴリー・ペック、バーバラ・ペイトン
『陽のあたる場所』(51=52)監督ジョージ・スティーブンス、モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー
『五本の指』(52)監督ジョセフ・L・マンキーウィッツ、ジェームズ・メイスン、ダニエル・ダリュー
『静かなる男』(53)監督ジョン・フォード、ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ
『黄昏』(51=53)監督ウィリアム・ワイラー、ローレンス・オリビエ、ジェニファー・ジョーンズ
『恋は青空の下』(50=53)監督フランク・キャプラ、ビング・クロスビー、コリーン・グレイ
『ジュリアス・シーザー』(53)監督ジョセフ・L・マンキーウィッツ、マーロン・ブランド、ジェームズ・メイスン
『第十七捕虜収容所』(53=54)監督ビリー・ワイルダー、ウィリアム・ホールデン、オットー・プレミンジャー
『ミズーリ大平原』(53=54)監督ジェリー・ホッパー、チャールトン・ヘストン、ロンダ・フレミング
『忘れじの面影』(48=54)監督マックス・オフュルス、ジョーン・フォンテイン、ルイ・ジュールダン
結局、神田古本まつりに連日立ち寄り、30冊の小型パンフレットを入手した。通りがかりの人が「これを家に飾ったらなかなかいいね」と言っていたが、確かに表紙だけでも魅力的だ。
(製作年=日本公開年)
『心の旅路』(42=47)監督マービン・ルロイ、グリア・ガースン、ロナルド・コールマン
『裸の町』(48)監督ジュールス・ダッシン、バリー・フィッツジェラルド、ドン・テイラー
『子(仔)鹿物語』(46=49)監督クラレンス・ブラウン、グレゴリー・ペック、ジェーン・ワイマン、クロード・ジャーマンJr
『春の珍事』(49=50)監督ロイド・ベーコン、レイ・ミランド、ジーン・ピータース
『嵐ヶ丘』(39=50)監督ウィリアム・ワイラー、ローレンス・オリビエ、マール・オベロン
『虹を掴む男』(47=50)監督ノーマン・Z・マクロード、ダニー・ケイ、バージニア・メイヨ
『罠』(49=51)監督ロバート・ワイズ、ロバート・ライアン、オードリー・トッター
『懐しのスワニー』(39=51)監督シドニー・ランフィールド、ドン・アメチー、アル・ジョルスン
『ジェニイ(ー)の肖像』(47=51)監督ウィリアム・ディターレ、ジョセフ・コットン、ジェニファー・ジョーンズ
『ハーヴェイ』(50=52)監督ヘンリー・コスター、ジェームズ・スチュワート、ジョセフィン・ハル