田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『男はつらいよ 寅次郎頑張れ』

2019-10-04 13:02:14 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎頑張れ』(77)(1985.10.13.日曜洋画劇場)
 
 
 マドンナは藤村志保。寅さんが、彼女の弟の電気工夫(通称ワットくん=中村雅俊)と、食堂で働く娘(大竹しのぶ)の恋の橋渡しをする。ワットくんが失恋したと勘違いしてガス自殺未遂(最後にたばこを一服でどかーん)をするシーンが笑える。
 
【今の一言】この話は、後の『寅次郎サラダ記念日』で、寅さんが大学生相手に面白おかしく語っていた。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『男はつらいよ 寅次郎と殿様』

2019-10-04 10:26:03 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎と殿様』(77)(1983.4.12.月曜ロードショー)


 久しぶりに、寅さんの姿に笑いながら泣かされてしまった。おいの満男のために買ったミニこいのぼりと、トラと名付けられた犬をめぐる一悶着は傑作だった。お節介を焼いて、気が付けば自分はただの道化者になってしまう悲しさ、それなのに相手に気を使ってしまう優しさ、言いたいことが言えずに終わってしまう歯がゆさ、そんな自分を嘆いてしまう弱さ…。この映画の寅さんはいつにも増して悲しく、愛おしく感じられた。
 
 さて、今回は殿様役でアラカンこと嵐寛寿郎が登場するから、冒頭の夢の場面は鞍馬天狗だった。彼と寅=渥美清と、執事役の三木のり平が繰り広げる“喜劇”はなかなか面白かった。
 
 この日は、二か国語放送ということで、随時英語版も聴きながら見ていたのだが、声優たちが、オリジナルの間の取り方やセリフ回しをきちんと踏襲して、ほぼ完璧に演じていたのには驚いた。寅さんの世界は外国人にも通用するのか。まあ、考えようによっては、山田洋次の描く世界は、フランク・キャプラ的だと言えなくもないが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『男はつらいよ お帰り 寅さん』山田洋次監督記者会見

2019-10-03 20:00:10 | 仕事いろいろ

『男はつらいよ お帰り 寅さん』山田洋次監督の記者会見を取材。
「クリント・イーストウッドもまだ撮っているから、僕も頑張ろうという気持ちになる」
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1201939 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『悪魔の手毬唄』

2019-10-03 09:38:24 | 映画いろいろ
『悪魔の手毬唄』(77)(1977.4.15.千代田劇場)


 昭和27年、金田一耕助(石坂浩二)は、旧知の磯川警部(若山富三郎)から、20年前に岡山県の鬼首(おにこべ)村でで起きた未解決事件の調査を依頼される。そんな中、村を二分する由良家と仁礼家の娘が次々に殺される。金田一は、今回の事件が、村に古くから伝わる手毬唄になぞらえて行われていることに気づくが…。
 
 横溝正史原作、市川崑監督、石坂浩二主演の金田一耕助シリーズ第2作。市川崑がアガサ・クリスティーをもじった久里子亭名義で脚本も書き、原作を少なからず改変している。
 
 それは、連続殺人の遠因に、活動写真の弁士がトーキーの波におされて失業した事情があることを強調し、日本で初めて字幕スーパーが付いた『モロッコ』(30)の一場面を挿入したり、磯川警部のヒロイン・リカ(岸惠子)への純情をサイドストーリーとしてしっかり描くことで、原作にはない映画的な情感を生み出すことにつながった。中でも、ラストの磯川と金田一の”総社(そうじゃ)”駅での別れのシーンが絶品だ。音楽は前作『犬神家の一族』(76)の大野雄二に代わって村井邦彦が担当。「哀しみのバラード」が耳に残る。

【今の一言】この映画の磯川警部役でイメージを一新した若山は、その後、テレビドラマ「事件」(78)の弁護士役や『衝動殺人 息子よ』(79)の父親役でも名演を披露した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』

2019-10-02 09:55:07 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』(89)(1989.8.12.丸の内松竹 併映は森崎東の『夢見通りの人々』)


 公開前は、「男はつらいよ」シリーズ41作目にして初の海外ロケ、という派手な宣伝を展開させたが、この映画を見ると「何のためにわざわざ寅さんをウィーンまで行かせたのか?」という疑問が残った。
 
 本来なら、柄本明扮するノイローゼ男のウィーンへの溶け込み方と同様のものが寅さんにあってこそ、はじめて「ウィーンでの車寅次郎」が生きてくるはずなのに、そのほとんどがホテルの中で展開するのでは面白くない。もともと車寅次郎というキャラクターは、どんな状況下や場所でも、実にすんなりとそこにはまってしまう、という不思議な存在であるところに魅力があったはずなのだ。
 
 だから今回も、ウィーンでも平気で商売をしてしまう寅さん、あるいはキザな貴族や嫌味な伝統を笑い飛ばすような、痛快な寅さんの姿を想像したのだが、それはかなわず、竹下景子演じるウィーン在住のマドンナに「寅さんは故郷の塊」と言わせるだけで終わってしまっては、やはり期待外れと言わねばなるまい。最大の見せ場は、寅さんがドナウ川を見ながら歌う「大利根月夜」であった(渥美清の名調子!)。
 
 もちろん、そこにはウィーン市への配慮もあったのだろうが、何と言っても寅さん=渥美清が、見た目にも疲れている様子がうかがえることが“動かない寅さん”の最たる原因だろう。最近は、日本を回るだけでもつらそうな彼を、外国にまで連れていったのだから、最初からこれには無理があったのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

屋外上映会『決断』『七人の無頼漢』『大砂塵』

2019-10-02 08:31:29 | 復刻シネマライブラリー
 東京国際映画祭の一環として、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場で、屋外上映会が開催される。
 
 
 11月4日(月)は、「復刻シネマライブラリーPresentsウエスタン・ムービー特集」マイケル・カーティス監督、ロバート・テイラー主演の『決断』(58)、バッド・ベティカー監督、ランドルフ・スコット主演の『七人の無頼漢』(58)、ニコラス・レイ監督、ジョーン・クロフォード主演の『大砂塵』(54)という3本立て!
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』

2019-10-01 10:04:58 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(88)(1989.1.14.松竹セントラル2 併映は『釣りバカ日誌』)
 
 
 久々に寅さんが大人の恋愛をするという前宣伝と、はやりのサラダ記念日を組み合わせた企画ということで、新味があるかもしれないと期待したが、やはり古き良き?山田洋次の世界であり、これでいいのだという気持ちと、果たしてこのままでいいのだろうか、という思いが相半ばするという、複雑な心境を抱かされた。
 
 もはや寅さんに新しいものを求めても仕方ないとは思いつつも、やはり見続けていくには何かプラスアルファがほしい。そして、渥美清はじめ、レギュラー陣の老いが目立つだけに、それに代わる存在として浮上きたのが、さくらの息子、満男である。
 
 満男役が吉岡秀隆に代わってから、山田洋次はかなり満男を意識しながら作っている気がするし、今回も、本筋の三田佳子演じる女医と寅さんとの恋愛と並行して、満男の将来を予感させるような、大学生たちの学生生活の様子を描くことにかなりのウエートがしめられていた。くるまやの面々が老いていく中で、一人大人へと成長していく満男と寅さんとの絡みが、今後のシリーズを支えていくことになるのかもしれない。そんな気がした。
 
 今回のもう一人の主役ともいうべき老婆を演じた鈴木光枝が抜群。北林谷栄と並んで、若い頃から老け役をやってきた人だから、その蓄積と実年齢が重なった今は、もううまい下手では片づけられない境地に達していると言っても過言ではない。役者もここまでくれば無敵だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あしたのためにその1

2019-10-01 09:16:05 | ボクシング
 
 運動不足解消のため、ボクシングジムに通うことにした。初回は左ジャブから右ストレートのワンツーを習う。予想通り、実際にやってみるとこれがなかなか難しい。やはりボクサーはすごいと改めて実感させられた。これからボクシングの試合を見る時は、野次など飛ばせなくなるなあ。「あしたのジョー」で丹下段平が少年院にいる矢吹丈に、はがきで通信教育をする「あしたのために」を思い出す。あれはなかなか理にかなっていたのだ。そして、今の自分は多分段平よりも年上だ。
 
 「あしたのためにその1 ジャブ」攻撃の突破口をひらくため、あるいは敵の出足をとめるため、左パンチをこきざみに打つこと。このさい、ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで やや内角をねらい、えぐりこむように打つべし。せいかくなジャブ三発に続く右パンチは、その威力を三倍に増すものなり。
 
 「あしたのためにその2 右ストレート」左ジャブで敵の体勢をくずし 突破口を見いだせば すかさず 右ストレートを打つべし これ、拳闘の攻撃における基本なり。右ストレートは 右拳に全体重をのせ、まっすぐ 目標をぶちぬくように打つべし。このさい、打ったコースと同じ線上を同じスピードでひきもどすこと。一発でKOをうむ必殺パンチなり。
 
(2005.4.5.)
 テレビのボクシング中継に熱中していた時期があった。その始まりは、小学生の頃に見たファイティング原田がライオネル・ローズに敗れた一戦、1968年のことだ。忘れ難い試合としては、大場政夫のラストファイトとなったチャチャイ・チオノイ戦、あるいはその前のオーランド・アモレス戦。柴田国明とベン・ビラフロアの2試合、あるいはラミロ・ボラニョス戦。強打の怪物ルーベン・オリバレスに金沢和良が挑み、散った衝撃のファイト。輪島功一の2度のリターン・マッチ(オスカー“ショットガン”・アルバラード、柳済斗戦)。具志堅用高がリゴベルト・マルカーノを芸術的にKOした一戦。渡辺二郎とパヤオ・プーンタラットの王座統一戦。浜田剛史がレネ・アルレドンドを1ラウンドKOで破り王座に就いた一戦…などが思い浮かぶ。
 
 また、モハメド・アリ、あるいはマイク・タイソンをめぐるヘビー級のさまざま。ロベルト・デュランやマービン・ハグラー、トーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナードたちの闘いなどにも熱中したものだった。
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする