共同通信エンタメOVOに連載中の
『週末映画コラム』
今週は
モーリス・ラベルの数奇な人生を描いた『ボレロ 永遠の旋律』
意外と硬派な青春学園ドラマ『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1442942
共同通信エンタメOVOに連載中の
『週末映画コラム』
今週は
モーリス・ラベルの数奇な人生を描いた『ボレロ 永遠の旋律』
意外と硬派な青春学園ドラマ『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
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フランスの作曲家モーリス・ラベルによる不朽の名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた音楽伝記映画『ボレロ 永遠の旋律』が、8月9日から全国公開される。日本公開を前にアンヌ・フォンテーヌ監督に話を聞いた。
「実は『ボレロ』はラベルにとっては大好きな作品ではなかったのです」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1442789
『ボレロ 永遠の旋律』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c618577a7575f0df658d4699164b2790
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』 (84)
スピルバーグのバランス感覚の甘さを感じさせられる
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/384ad8b3884c4a778f94a79c5c8b7766
『アゲイン 28年目の甲子園』(15)
野球を媒介に人と人とのつながりの大切さを描く
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/33b93ca35177b1566d1b601d3f91785e
甲子園球場100年
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d5f60c31bbf2a9ad20e4e2bc15dbefe0
『フォールガイ』(2024.5.16.TOHOシネマズ日比谷.完成披露試写会)
撮影中の事故で大けがを負ったスタントマンのコルト(ライアン・ゴズリング)は、復帰作となる映画の撮影現場で、監督となった元恋人のジョディ(エミリー・ブラント)と再会する。
だが、長年にわたりコルトがスタントダブルを務めてきたトム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)が失踪。ジョディとの復縁とスタントマンとしての復活を狙うコルトはトムの行方を追うが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。
1980年代のテレビドラマ「俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ」をリメークし、危険な陰謀に巻き込まれたスタントマンの戦いを、自身もスタントマン出身のデビッド・リーチ監督がリアルかつ斬新なアクションで活写する。
アクションはもちろん、ラブロマンスあり、サスペンスあり、エンドロールでメイキングまで映す大サービスぶりを発揮。最近は、暗く考えさせられる映画が多いが、時には何も考えずに楽しめるこうした映画も必要だ。
スタントマンやアクション映画に対する愛にあふれ、キッスの「ラヴィン・ユー・ベイビー」やフィル・コリンズの「見つめて欲しい」など、懐かしのメロディーの引用も効果を上げている。
【インタビュー】『ブレット・トレイン』ブラッド・ピット&デビッド・リーチ監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0d0e8c613c7cc1652fc1335f14640cf0
『ブレット・トレイン』新幹線での“動く”レッドカーペット開催!
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/94a1e4a5b0fbbc66196c0291f8bc87b6
『ボレロ 永遠の旋律』(2024.6.23.オンライン試写)
1928年、パリ。スランプに苦しむ作曲家のモーリス・ラベル(ラファエル・ペルソナ)は、ダンサーのイダ・ルビンシュタイン(ジャンヌ・バリバール)からバレエの音楽を依頼される。
彼は失ったひらめきを追い求めるかのように自身の過去に思いをはせながら、試行錯誤の日々を経てついに傑作「ボレロ」を完成させる。だが、この曲に彼の人生は侵食されていく。
フランスの作曲家ラベルによる名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた音楽映画。監督はアンヌ・フォンテーヌ。ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による「ボレロ」に加え、ヨーロッパを代表するピアニストの一人であるアレクサンドル・タローがラベルの名曲の数々を演奏した。
オープニングで、さまざまな形で演奏される“現代の「ボレロ」”が映るのが印象的。これはフォンテーヌ監督がこの曲の普遍性を示したものだが、その認知度の高さに比べると作曲者のラベルについてはあまり知られていない。
その意味では、ラベルの数奇な人生を描いたこの映画には、「ボレロ」の成功がラベルにとっは不本意なものであったことなど、教えられることが多かった。ペルソナの好演も光る。
例えば、「ボレロ」のリズムは工場の音から発想を得たことは知っていたが、そこから完成までの紆余曲折は知らなかったので、とても興味深いものがあった。
これは、『グレン・ミラー物語』(54)の「ムーン・ライト・セレナーデ」や、最近では『ボヘミアン・ラプソディ』(18)の同名曲、『ロケットマン』(19)の「ユア・ソング」『ボブ・マーリー:ONE LOVE』(24)の「エクソダス」などと同じように、知っている曲が出来上がっていく過程を垣間見るという快感が得られる。これは音楽伝記映画の醍醐味の一つだ。
また、ルビンシュタインの「ボレロ」の踊りの場面から、クロード・ルルーシュ監督の『愛と哀しみのボレロ』(81)のラストのモーリス・ジョベールの振り付けとジョルジュ・ドンの舞踏のルーツを見た思いがした。
もう一つ興味深かったのは、時系列を崩した展開とラベルをアセクシュアルとして描いていたこと。これによって、ラベルにとっては音楽が恋人であり、彼を囲む女性たちはミューズ的な存在であったことがよく分かる。
黒澤明監督の『羅生門』(50)で早坂文雄が「ボレロ」を引用したが、あの曲が持つ官能性の秘密はこうしたところにあったのかと気付かされた。