昨日は現役バリバリで活躍するジェフ・ベックについて触れた。しかし故人を含めたギターヒーローにまで範囲を広げると、その筆頭はジミ・ヘンドリックスになるだろう。
彼のアルバムを初めて買ったのは高校生の時だ。ストラトが激しく燃えるジャケットは私の購買意欲をかきたてた。
妖怪人間べムそっくりの友人宅でレコードをかけてカセットテープに録音した。延々と続く激しいノイズを聴いて「俺が求めていたのはこれだ」と思った。
べムはこれにはまったく興味を示さず、性懲りも無くアルフィーの坂崎氏からもらったサインを自慢し始めた。ミニコンポを持っていなかった私は、心ならずも毎回相槌を打つのだった。
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ワイト島の映像を数年ぶりに観た。3アングルの特典映像も嬉しかったが、ビリーコックスの暴露話(FOXY LADY演奏中にジミが派手に開脚してパンツが破れてしまった)には笑った。フライングVで弾き語るジミのかっこいいこと。
晩年を捉えた映像からは疲れ、苦悩だけではなく、新たな分野に挑戦しようとする意欲も感じられる。初心者向けとは言えないが、絶好調でもなく絶不調でもないジミは実に人間臭い。
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