Eさんはシンボルマークについてあれこれ話した次に、旧陸軍へ辛辣な評価を下した。幹部候補生学校の廊下を見学して、教育参考館に向かった。現在改修中のため、展示品は隣の第1術科学校学生館の1階に移されている。
ここでは脱帽(ただしヅラはOK)、撮影禁止。貴重な卒業記念写真を見る。明治の歴代校長は立派なヒゲを蓄えている(カイゼルヒゲはこの時代に流行した)。展示については一部批判的な意見があることはよく知っている。だが、特攻隊員の遺書や辞世の句から学びとることは非常に多いと思う。
そこには現代の日本人が失ってしまった精神(家族への愛情、思いやり、感謝の念)が切々と綴られている。美文の裏には「後世の人間に国家の運命を託そう」という熱き想いが隠されているのだ。
「戦争をするのは愚かだ」と軽々しく口にする、戦争経験のないへタレ左傾教師、海鼠腸のような脳を有するおばはんは暗い時代に翻弄された戦没兵士やその遺族の気持ちを真剣に考えたことがあるのだろうか。そしてあの戦争が回避できたはずとでも思っているのだろうか。戦勝国の一方的な言い分だけで歴史をとらえることは絶対にできない。
私が最も不快だったのは、Eさんが熱心に説明している最中に、ガムをクッチャクッチャ噛んでいる老人がいたことである。展示品を眺めている時もだらしない行為を続けてニヤニヤし、品のない関西弁でやたら意見を述べていた。どう見ても昭和10年代に生をうけ、少しは戦争を経験したはずの男が、である。
私には「飴」国にタマを抜いてもらって、ケツの穴まで提供した憐れな男色に思えた。修身教育の廃止・拝金主義・風見鶏・身勝手な欲望の追求・仏教哲学への無理解が我が国をメタメタにし、畜生にも劣る人間が血生臭い事件を次々に引き起こしている。
…驢馬が旅に出かけたところで、馬になって帰ってくるわけがない(西洋の諺)…
…日本ぐらい自分でものを考えるやつが少ない国はありませんよ。違ったことをいうと、そこらへん全部機嫌が悪い(SJ氏)…
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真珠湾攻撃で沈没した特殊潜航艇と海龍を最後に見た。Eさんに深々と頭を下げて別れ、『レクトン』に入った。ここで土産物を買い、バス停に行くと40分待ちだ。結局歩くことにした。
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