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スターリングラード

2008年09月02日 | 映画(さ行)
スターリングラード

日本ヘラルド映画(PCH)

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1942年、第二次大戦下、ドイツとソ連の最激戦地スターリングラード。
なにしろ、冒頭の戦闘シーンがすごいです。
プライベートライアンにも匹敵するくらい。

ジュード・ロウ演じるヴァシリ・ザイツェフを含む大勢の兵士が列車でスターリングラードに到着するんですね。
貨物輸送用のその列車の扉を開けると、もうそこは戦場。
銃弾が飛び交い、いきなりドイツ軍機から空爆を受ける。
混乱のなか、兵士たちの二人に一丁の銃が渡される。
銃を持つものが撃たれたら、持っていないものが次に持つようにと言われ・・・。
ばたばたと撃たれ倒れていく兵士たち。
逃亡するものは容赦なく同軍により射殺。
まさに、進むも地獄、退くも地獄。
このスターリングラードがここまで激戦地となったのは、この街の名前のためです。スターリンの名前を冠したこの地を、
ソ連は意地でもドイツに明け渡すわけに行かない。
また、ドイツはドイツで、だからこそこの地を是が非でも手中にしたい。
街中は死体と瓦礫の山。

さて、このヴァシリは、狙撃の名手です。
実在の人物。
彼はスナイパーとして、徹底してドイツ軍将校を狙い撃つ。
ゴルゴ13並の腕前!
彼はソ連の戦意高揚のために、英雄に祭り上げられて行きます。

この映画は、立場としてはどちらの軍の味方もしていません。
どちらも、軍の上層部の勝手な思惑で一般兵の命が実に軽くあしらわれている。
そんなことを皮肉な視線で見ていることが感じられます。
・・・まあドイツとソ連ですから、アメリカ的立場としてはどちらに加担しないのも当然かも知れませんが。
・・・余談ですが、作品中ソ連軍が話しているのは全部英語ですから・・・。

さてしかし、そうなるとドイツ軍も黙ってはいられない。
ヴァシリを狙い撃つために、ケーニッヒ少佐が送り込まれてくる。
結局この二人の一騎打ちになっていくんですね。
それはお互いの行動を読み、瓦礫の影に身を潜め・・・息づまる神経戦となっていくわけです。
ほんのちょっとの動作、油断、判断ミスが命取りとなる。

映画は、この緊迫した銃撃戦を、ターニャという女性兵士とのロマンも絡めて、見所満載です。
私は、ヴァシリとターニャの大勢雑魚寝のなかでの密やかな交わりのシーン、
これはなかなかの名シーンだと思う・・・。
このシーンがあるからこそ、ジュード・ロウの起用なのでしょう、やはり・・・。

最後、どうやってヴァシリがケーニッヒに勝つのか。
つまり、そこに至るまでのいろいろな伏線と言いますか、因果と言いますか、
そこが、ドラマなんですよ・・・。
ジュード・ロウファンでない方にもお勧めです。

2001年/アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド/132分
監督:ジャン・ジャック・アノー
出演:ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ボブ・ホプキンス、エド・ハリス