映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「黒衣の処刑人 上・下」 トム・ケイン/佐藤耕士訳

2008年12月28日 | 本(その他)
黒衣の処刑人 上巻 (1) (新潮文庫 ケ 15-1)
トム・ケイン
新潮社

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ノンストップ・アクション、とでも言いましょうか、
次から次へと迫り来るピンチ、アクション、そしてお色気たっぷりのハードボイルド・・・。
主人公は闇の処刑人、もとイギリス海兵隊特殊部隊員のサミュエル・カーバー。
世の中に悪影響を与える重要人物の暗殺を仕事としているという。
これは彼自身の判断ではなく、ある組織からの依頼で動くのであります。
まあ、このあたりは、どこにでもありそうな話なんですが。

このストーリーの特異なところは、ある日のターゲット。
場所はフランス、パリ。
セーヌ川脇のトンネル。
なんと、かのダイアナ元英皇太子妃。
計画通り、カーバーの策略により、
彼女が乗った猛スピードの車はトンネル壁に激突。
しかし、カーバーはこのとき、中の人物は全く別人と教えられていた。
この秘密を消し去るために、今度はカーバー自身に刺客が襲う。
心ならずも、敬愛するダイアナ妃を自ら手をかけてしまったカーバーは、
辛くも刺客からのがれ、この計画を企てた人物に復讐を誓う。
実はこの計画にはロシアンマフィアが絡んでいて・・・。

カーバーは強い精神と肉体を持つタフ・ガイ。
舞台はフランス、スイス、イギリスとめまぐるしく移りかわり、
彼の連れとなるアリックスは、お色気ムンムンのロシア美女。
繰り返される暴力、殺戮・・・、挙句は胸が悪くなりそうな拷問シーン。
導入部分は、新鮮だったのですが、
次第に気が重くなってきてしまいました。

多分に、映画向きのアクションものです。
しかし、タフガイにお色気美女・・・。
ずるがしこい私立探偵、暗躍するMI6の情報員。
ほぼ不死身?のロシア人の殺し屋。
この設定はかなりB級っぽいですね。
万が一映画化されてもあんまり見たくはないなあ・・・。
あ、でも、配役しだい?
・・・でも、思いつくのはスティーブン・セガールくらいだったりする。
題名は、「沈黙の処刑人」。
これで決まり。

満足度★★★☆☆