映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

タイトロープ

2010年02月26日 | クリント・イーストウッド
自分の中にも潜む猟奇性

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これはまた刑事物ですが、ダーティハリーとは違うんだね。
そう、ブロック刑事(クリント・イーストウッド)は、
それほど過激な人物ではなく、2人の娘を育てている至ってまともな刑事です。
彼が連続猟奇殺人事件に挑むわけなんだ。
娼婦を全裸にし手錠をかけて犯した上絞殺するという。
いつも犯人の手口はこれなんですね。
ブロック刑事は聞き込みのために風俗関係施設を回るうちに、
その怪しい猟奇性にひかれていくのを感じる。
そしてまた、何故か犯人はこの刑事を付け狙い、
彼が立ち寄り関係した娼婦をわざとターゲットにしてゆく。
犯人を追い詰めながら、逆に犯人に追い詰められたような気がしてしまうブロック。
そしてついに、彼の娘と恋人に魔の手が迫る・・・!!


サスペンスたっぷりの刑事物ですが、特にこの、
刑事が心理的に追い詰められていくところがなかなかいいと思う。
誰もが心の奥底では、怪しい感情の一つや二つ・・・。
ないとは言い切れないよね・・・。
ダーティハリーみたいに派手な撃ち合いはなし。
じっくり腰を据えてみるべき、大人のサスペンスドラマですね。


ここに出てくる娘役の女の子がすっごくかわいいと思ったら・・・。
これがまた、イーストウッドの実の娘、アリソン・イーストウッドでしたね。
うん。かわいい・・・というよりは、もう既にキレイ。
当時12歳ということなんですが。
うう・・・。やはり血は争えない。
これはもう身びいきとはいえない、はまったキャスティングと言っていいんじゃない?
はい、たしかに・・・。


最初の犬のシーンが好きだったな。
子供たちが捨て犬を見つけて、飼おうよと提案する。
戸惑いを見せつつ、承諾してしまうブロック。
でも次のシーン。
なんと、部屋には他にも犬がたくさん。
いつもこの調子で犬を拾っては飼うことになってしまっているのだ、ということがわかるわけなんだよね。
こういうちょっとしたおしゃれな演出がいいんですよねえ・・・。
こういうシーンだけ、書き留めて集めてみるのもいいかも。
まあ、気持ちだけは受け止めます・・・。無理だと思うけど。

1984年/アメリカ/115分
制作:クリント・イーストウッド
監督・脚本:リチャード・タッグル
出演:クリント・イーストウッド、ジュヌビエーブ・ビジョルド、ダン・ヘダヤ、アリソン・イーストウッド