映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

デストラップ 死の罠

2010年09月16日 | 映画(た行)
二転三転、意表を突くサスペンスドラマ
         ~「100人の映画通が選んだ本当に面白い映画」より~

             * * * * * * * *

アイラ・レビン原作、ブロードウェイで大ヒットした舞台劇の映画化です。
劇作家シドニーはひどいスランプで、新作の劇も酷評を受ける。
そんなところへかつての講座の教え子、クリフが自作の台本を持ってくる。
それは文句のつけようがないミステリの大傑作。
シドニーはクリフを自宅におびき出して殺害し、
その作品を自分の物にしてしまおうとします。
そしてシドニーは妻の制止も振り切って、クリフを殺してしまう。
ところが・・・。

二転三転し、状況が入れ替わり、意表を突く展開となっていきます。
さあ、最後に笑うのは誰なのか・・・!

殺意が本気なのか冗談なのかわからないところ、
くるくると優位性が入れ替わっていくところなど、「スルース」に似ていると思いました。
まあ、非常に興味深く見たわけですが・・・。


でもこれは映画作品としてはどうなのか、
とちょっと思ってしまいました。
みてすぐに、元は舞台作品というのがわかりました。
オーバーなセリフ回しにアクション。
テンポがあまりよろしくないし・・・。
場面がほとんどシドニー宅、というのは仕方ないのですが。
82年作品・・・というよりも
もっと古色蒼然とした感じを受けてしまいました。
映画なら映画なりに、もっと作りようがあったのではないかと思えてきます。
強いて言えば、この作品は映画ではなく、舞台だと思って見ると良いでしょう。
その方が違和感なく楽しめると思います。

デストラップ~死の罠~ [DVD]
マイケル・ケイン,クリストファー・リーヴ,ダイアン・キャノン
ワーナー・ホーム・ビデオ



1982年/アメリカ/117分
監督:シドニー・ルメット
出演:マイケル・ケイン、クリストファー・リーブ、ダイアン・キャノン、アイリーン・ワース