映画と本の『たんぽぽ館』

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「真田太平記 (二)秘密」 池波正太郎 

2010年09月26日 | 真田太平記
出生の秘密・・・

真田太平記(二)秘密 (新潮文庫)
池波 正太郎
新潮社


           * * * * * * * *

さて、第2巻は「秘密」ですか。
それというのは、やはりアレですね。
真田家の長男と次男の出生の秘密。・・・もう二巻で解っちゃうんですか。
まあ、そんなことでいつまでも引っ張っていなくても
これからの展開は十分楽しめるということですよ。
そもそも、その秘密が解っていないとこの先の展開が納得できないじゃないですか。
ですね。だからまあ、ここでもばらしちゃいますが、
つまり源三郎信幸は昌幸の正室、山手殿の子供であるけれど、
源二郎幸村は別の女性の子供である・・・と。
しかも実は二人は同じ年だというのです。
この秘密はある夜に幸村自身が佐平次に打ち明けるんですね。
ははあ・・・、けれど昌幸のかわいがりようで解るけれども、
昌幸が本当に好きだったのは、幸村の母親の方、ということなんだね。
でも、その人がどこのどんな人だったかというのはまだ明かされないわけだ。
ウン。でももう亡くなっているのは確かだと思う。
お殿様なんだからこんな話はいくらでもあるんだろうけどね、
この場合、正室の山手殿というのが異常に嫉妬深いわけ。
この本でも、愛人のお徳さんが昌幸の子を身ごもってしまったものだから、
命の危険にさらされたりするんだ。
それにまた、他にも隠し子発見!!
山手殿の妹の子、樋口角兵衛というのがどうも幸昌の子供らしいんだね。
ひゃー、自分の奥さんの妹にまで手をつけちゃったってこと?
やばいよ、この幸昌さん・・・。
はは・・・。それで、その角兵衛は実はまだ13歳というのに、
体がデカくて行動もやや常軌を逸している。
むろん自分の出自は解っていないんだけど、
昌幸のために自分の母も叔母も不幸になっていると思い込んで、家出。
真田家に恨みを抱き、なんと幸村に襲いかかったりもする。
この確執、この後も尾を引きそうなのです・・・。


おっと、そんなことで本筋を話し忘れていますが、
前巻は信長が明智光秀にやられたところまででした。
ここではもう既にその光秀は秀吉に敗れ、
秀吉vs家康、天下を取るのはこのどちらか、という風に状況が固まってきています。
真田家としては、まだどちらに味方するとも考えが煮詰まらないながらも、
まずは新たに城をつくり、守りを固めようとするのですね。
そう、昌幸の悲願。
城は山城ではなくて平地に建てる。
そこに城下町を作り、商業を盛んにして、豊かな経済力をつけようとする。
なんとなればこれからの戦は鉄砲などの武器や、
忍者による情報収集が非常に重要になるけれど、
どちらも、とてもお金がかかることなんだね。
そういう先見の明で、幸昌は上田(長野)にお城を作ります。
自らも作業に加わるという大急ぎの工事だったみたいだね。

そうそう、それから、あの佐平次は“もよ”という女性と結婚します。
幸村は新妻とイチャイチャしている佐平次が気に入らないのだけれど・・・。
あることの後で、すっかり落ち着いてくるんだよね。
うふふ。
笑っちゃいけませんよ~。真田幸村。なんと言ってもまだ若いオトコノコです。