リメイクの完成版はやっぱり乙一
* * * * * * * * * *
少年が小説家になった理由とは?
コンビニ強盗との奇妙な共同作業、その結果は?
お正月に雪がもたらした不思議な出会いとは?
人気作家・乙一がひとつの町を舞台に描く、
驚きと切なさに満ちた6つの物語。
ちなみにそれぞれの原案は、集英社WEB文芸「RENZABURO」の企画
「オツイチ再生工場」で読者から募集した「ボツ原稿」。
WEB上で公開されている投稿作を読めば、
作家による華麗で大胆なリメイクの技が一目瞭然。
乙一ワールドの秘密がここに!
* * * * * * * * * *
私、乙一さんは、とても久しぶり。
本作は短篇集で、「箱庭図書館」。
短編の題名は「コンビニ日和!」、「ワンダーランド」、「王国の旗」など・・・。
あれ?
しばらく見ないうちに、この方、作風が変わったのかしらん?
と一瞬思ってしまいました。
なんとなくメルヘンチックのような???
でも、読んでみたらやっぱり乙一さんですね。
どことなく雰囲気が違ったように思えたのは気のせいばかりではなくて、
これらの物語、実は原作はそれぞれ別の方なのです。
<集英社WEB文芸「RENZABURO」の企画
「オツイチ再生工場」で読者から募集した「ボツ原稿」。>
これを乙一氏がリメイクしたものだったのです。
だから、ふだん乙一さんが取り上げないようなものがあったりするのが
また面白いわけです。
青春絶縁体
文芸部の部室でいつも激しく毒づきあう"僕"と"先輩"。
僕は実はクラスの皆と打ち解けることができず、誰とも話すことがない。
でもこの先輩とだけは、なぜか不思議に気楽に話すことができる。
人が聞いたら顔をしかめそうな罵詈雑言の応酬なのだけれど・・・。
人と対峙することが苦手な僕が先輩の本当の姿を知る時・・・。
苦い青春の思いがこみ上げます。
ワンダーランド
ある日、帰り道で鍵を拾った小学生の僕。
この鍵はどこの鍵なのだろう。
僕は、この鍵の合うドアを探し歩くことが日課になる。
そんな時、雑木林のそばの荒れ果てた家で・・・。
本作、不思議とどこで終わっても不思議でないような気がするのですが、
ページを捲ってみると何故か終わっていなくて、続きがあるのでした。
事件で少年は成長する。
けれど、実はまだ怖い秘密は解決されていないようで・・・。
ワンダーランドという題名にふさわしい、
なんだか不思議な感じのする作品。
ホワイトステップ
ある雪の日、目の前に足あとだけが出現。
そこには明らかに人がいるようなのだけれど、体に触れることはできない。
雪面に字を書いて意思の疎通はできる。
二人はとても良く似た別の「平行世界」に住んでいるらしい。
これはまるでカジシンの作品のような・・・
不思議で切ないストーリーですが、おもしろい!!
全部で6篇の短編が収められていますが、
これが全くバラバラなのではなくて、舞台は同じ文善寺町。
そしてどこかに必ず、本が大好きで図書館の司書になってしまう潮音さんが登場します。
なかなか心憎い演出。
そしてどの作品も魅力的で、ステキな本でした!!
「箱庭図書館」乙一 集英社文庫
満足度★★★★★
箱庭図書館 (集英社文庫) | |
乙一 | |
集英社 |
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少年が小説家になった理由とは?
コンビニ強盗との奇妙な共同作業、その結果は?
お正月に雪がもたらした不思議な出会いとは?
人気作家・乙一がひとつの町を舞台に描く、
驚きと切なさに満ちた6つの物語。
ちなみにそれぞれの原案は、集英社WEB文芸「RENZABURO」の企画
「オツイチ再生工場」で読者から募集した「ボツ原稿」。
WEB上で公開されている投稿作を読めば、
作家による華麗で大胆なリメイクの技が一目瞭然。
乙一ワールドの秘密がここに!
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私、乙一さんは、とても久しぶり。
本作は短篇集で、「箱庭図書館」。
短編の題名は「コンビニ日和!」、「ワンダーランド」、「王国の旗」など・・・。
あれ?
しばらく見ないうちに、この方、作風が変わったのかしらん?
と一瞬思ってしまいました。
なんとなくメルヘンチックのような???
でも、読んでみたらやっぱり乙一さんですね。
どことなく雰囲気が違ったように思えたのは気のせいばかりではなくて、
これらの物語、実は原作はそれぞれ別の方なのです。
<集英社WEB文芸「RENZABURO」の企画
「オツイチ再生工場」で読者から募集した「ボツ原稿」。>
これを乙一氏がリメイクしたものだったのです。
だから、ふだん乙一さんが取り上げないようなものがあったりするのが
また面白いわけです。
青春絶縁体
文芸部の部室でいつも激しく毒づきあう"僕"と"先輩"。
僕は実はクラスの皆と打ち解けることができず、誰とも話すことがない。
でもこの先輩とだけは、なぜか不思議に気楽に話すことができる。
人が聞いたら顔をしかめそうな罵詈雑言の応酬なのだけれど・・・。
人と対峙することが苦手な僕が先輩の本当の姿を知る時・・・。
苦い青春の思いがこみ上げます。
ワンダーランド
ある日、帰り道で鍵を拾った小学生の僕。
この鍵はどこの鍵なのだろう。
僕は、この鍵の合うドアを探し歩くことが日課になる。
そんな時、雑木林のそばの荒れ果てた家で・・・。
本作、不思議とどこで終わっても不思議でないような気がするのですが、
ページを捲ってみると何故か終わっていなくて、続きがあるのでした。
事件で少年は成長する。
けれど、実はまだ怖い秘密は解決されていないようで・・・。
ワンダーランドという題名にふさわしい、
なんだか不思議な感じのする作品。
ホワイトステップ
ある雪の日、目の前に足あとだけが出現。
そこには明らかに人がいるようなのだけれど、体に触れることはできない。
雪面に字を書いて意思の疎通はできる。
二人はとても良く似た別の「平行世界」に住んでいるらしい。
これはまるでカジシンの作品のような・・・
不思議で切ないストーリーですが、おもしろい!!
全部で6篇の短編が収められていますが、
これが全くバラバラなのではなくて、舞台は同じ文善寺町。
そしてどこかに必ず、本が大好きで図書館の司書になってしまう潮音さんが登場します。
なかなか心憎い演出。
そしてどの作品も魅力的で、ステキな本でした!!
「箱庭図書館」乙一 集英社文庫
満足度★★★★★