一時代前、下北沢の群像劇
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東京、下北沢を舞台として、そこに暮らす人々の日々の営みをスケッチ風に綴ったドラマです。
下北沢の駅にぴったり張り付いたように建つKRASSというカフェ。
この町では老若男女、古い物と新しい物がざわざわとひしめき合っています。
このカフェでバイトする20歳の有希(北川智子)。
常連客で、役者の九四郎(原田芳雄)。
有希の彼氏でカメラマンになる夢を持つ達也(小澤征悦)。
その他、多くの人々の群像劇。
毎日、同じようなことの繰り返しのように見えて、それでも少しずつ変化していく。
作中こんなセリフがあります。
「山で迷ったときには、沢を探して、
その沢沿いに進むと、どこかへたどり着く。
同じように、ここも、沢だ。
遭難しかけたヤツが集まって来る。」
東京居住者ではない私にはよく分かりませんが、
この下北沢はいわゆる成功者ではなくて、
ちょっと人とは別の道を行こうとか、
多くの人が理想とする道に行き損ねた人たちが集まるという感じでしょうか。
本作、2000年の作品なので、あくまでもその当時は、ということですが。
20年以上が過ぎた今、それは同じなのか、違ってきているのか、
それも私にはよく分かりません・・・。
ともあれ、その当時の様子はよく分かります。
今でもそのままというかそれ以上にビッグになった俳優の皆さんが
少しずつですが顔を出します。
誰がでているか、しっかり見つけ出すのも楽しみの一つ。
そうそう、ピアニスト、フジ子・ヘミングさんが出演しているというのもステキです。
それと本作のラストを見て、アメリカ作品の「マグノリア」を思い出しました。
そちらも群像劇で、それぞれの人物がどうにも煮詰まってしまったラストで、
驚くような出来事が起こります。
それがまた2000年の作品。
本作、どうもそのラストをヒントにしているように思えるのですが・・・。
<Amazon prime videoにて>
「ざわざわ下北沢」
2000年/日本/105分
監督・原案:市川準
出演:北川智子、原田芳雄、小澤征悦、りりィ、イングリット・フジ子・ヘミング、
大森南朋、広末涼子、松重豊、岸部一徳、渡辺謙、樹木希林、柄本明
それぞれの道度★★★★☆
町の雰囲気描写度★★★★☆
満足度★★★.5
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