映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

火花

2017年11月30日 | 映画(は行)
人生だなあ・・・



* * * * * * * * * *

又吉直樹さん原作のおなじみの作品。
特別に小説が好きだったわけではないのですが、
主演のお二人に釣られてしまいました。



なかなか芽が出ないお笑い芸人徳永(菅田将暉)は、
営業先の熱海の花火大会で先輩芸人神谷(桐谷健太)と出会います。
桐谷は「アホンダラ」というコンビで、通常の枠からはみ出した漫才を見せ、
徳永を圧倒します。
徳永は神谷に弟子入りを志願。
そこから10年に渡る、2人の交友と芸人の道を描きます。



神谷は通常の枠からはみ出しすぎるがゆえに、自滅していくという感じでしょうか。
そんな破天荒な神谷を敬愛しながらも、
危惧し、呆れ、苦い思いをも抱く徳永。
しかしそういう自分の立場こそも危うく、先の見通しがない・・・。
痛いくらいに人生を表していますね・・・。



私、本を読んだ時に、神谷をもっと年配のおじさんっぽい人物を想像してしまっていました。
だからどうものめり込めなかったのか・・・。
この度の桐谷健太さんをみて、妙に納得しました。
なるほど、これくらいの年齢だったのね・・・。
とすれば、少し納得ができる。
それにしても、最後に桐谷が胸を整形していたというエピソードが、
どうにも座りが悪いというか、
うまいオチに思えないのは、この度も同じ・・・。



芥川賞、純文学というのになんだかのめり込めないミーハーなわたしにとっては、
映画化は大変ありがたく、楽しんで見ることが出来ました。
だからといって、決して通俗的になったわけではなく、
原作の雰囲気をそのままに味わえるものになっていると思います。
今を時めく若手俳優二人の起用が功を奏しました。
漫才シーンもバッチリ。
特に徳永のラストライブシーンは圧巻です。
菅田将暉さんは「女城主直虎」の顔面アクション(?)より、
こちらのほうがいいです。



<シネマフロンティアにて>
「火花」
2017年/日本/121分
監督:板尾創路
原作:又吉直樹
出演:菅田将暉、桐谷健太、木村文乃、川谷修士、三浦誠己

原作再現度★★★★☆
満足度★★★★☆


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