スーパーマンでなく、人間が頑張っている感、ハンパない。
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ミッション・インポッシブルのシリーズ第6作。
盗まれたプルトニウムを回収するミッションに挑んだイーサン(トム・クルーズ)でしたが、
失敗し、テロ組織“アポストルに”奪われてしまいます。
イーサンに不審を抱くCIAは、監視役として敏腕エージェント、ウォーカー(ヘンリー・カビル)を送り込みます。
そんな中でも、核によるテロ活動を阻止すべく動き出すイーサン。
起死回生なるか・・・?!
イーサンの悪夢から始まる本作、
これまでの作品とは少しイメージが異なるような気がしました。
まずイーサンは、チームの仲間を救おうとしてミッションに失敗。
そんな優しさを彼自身自らの弱点と思っているようなのですが、
実はそれこそが彼の強みで、
そんな彼だからこそ、同じチームで働きたいと思う仲間がいるわけなのですよね。
トイレでの格闘シーンなども、
トイレブースはめちゃくちゃになるわ、仕切りの壁はぶち抜くは・・・、
なんとも派手なのですが、肝心のイーサンのアクションにはやや精彩を欠くのです。
どちらかというと殴るより殴られる方が多いような・・・。
そんな中で、さすが若手のウォーカーが心強く、
監視役とはいえ、この二人は友情を結んでいくようにも思えるのですが・・・。
そんなこんなで、イーサンもいよいよ老化には逆らえず、
体力は下降気味なのか、と思ってしまうわけなのです。
そしてそれはもちろん、トム・クルーズ自身のことでもあります。
彼も御年56歳。
若い頃と同じに動けたら化物だ・・・。
・・・と、沈んだトーンで始まる前半。
が、しかし!!
終盤でものすごいことになるのですよ。
例の、骨折をしたというビルの間を飛び越えるシーンもすごいですが、
ヘリの追撃シーンがまたすごい。
決してスタイリッシュというのではないのです。
でも、まさに命がけ、ど根性、最後の最後まで諦めずやり遂げようとする強い意志に
とにかく圧倒されてしまうのです。
前半のやや衰えを見せるシーンの数々はフェイクなのか、それとも計算づくか。
まあ、それもどうでも良くなってしまうくらいに、
ただただ彼の無事を祈ってしまうような、のめり込み方をさせてくれる作品なのでした。
この味、若いときには出せなかったと思うのです。
トム・クルース、今だからこそです。
CGなし、スタントマンなし、本人が見せるアクションならでは。
まさに生身の人間が、必死で頑張っている感がハンパない。
また、ラスト、チームの仲間それぞれが同時進行で死力を尽くしていくところもしびれますよね。
いかにもわざとらしいカウントダウンだって、許せてしまう。
クールでスタイリッシュなイーサン・ハントが、やや老いて人間味を覗かせる、
私は本作がシリーズの中で一番好きかもしれません。
<シネマフロンティアにて>
「ミッション:インポッシブル フォールアウト」
2018年/アメリカ/147分
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カビル、ビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ミシェル・モナハン
ドキドキハラハラ度★★★★★
満足度★★★★★
「ミッション・ポッシブル」であるべきかも知れないなんて余計なことを考えちゃいました。
インポッシブル(英語: Impossible)は、「不可能な」の意で、反意のポジブル(possible=出来る)は成し遂げます。
確かに、数々の不可能を可能にしてしまうという作品なんですね。
今回の司令のシーン、原点に戻って煙が出て自動的に消滅していましたね。レトロで懐かし~。
そうでした、指令後に証拠を残さぬようにテープ❔を消去して煙り が出ました。
* 例によってiinaの当該ブログ記事アドレスを上のURLに置きました。読後も消去されることなく、残り続けます。