映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

決戦は日曜日

2022年10月14日 | 映画(か行)

努力、奮闘、チームワーク・・・ではなくて

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とある地方都市。
地域に強い地盤を持つ衆議院議員・川島昌平の事務所で、私設秘書として働く谷村(窪田正孝)。
衆議院解散のタイミングで川島が病に倒れ、
次の選挙で川島の地盤を引き継ぎ、川島の娘、有美(宮沢りえ)が出馬することに。

政治には全くのド素人、世間知らずで自由奔放、
熱意だけはあふれる彼女に振り回されながら、
谷村は彼女を当選に導くために奔走することになります。

そんな中、有美に次第に見えてくるのは政治や選挙の裏側。
その癒着や裏取引などに、正義感の強い有美は耐えられなくなってきますが・・・。

ここで、谷村はすでにもうそんな政治の世界は当たり前に思えていたのです。
そんなものだと割り切って、自身も事なかれ主義で
周囲に流されるままに、汚濁にまみれていたのです。
けれど谷村は、有美の気持ちに次第に感化されていきます。

有美を中心としてしっかりと陣営が作られている中、
今さら出馬を辞めるというのはあまりにも困難。
そこで有美と谷村は「落選」を目指して動くことにする・・・。

これまでも選挙に出馬する物語は色々あったと思うのですが、
そういう努力とか奮闘、チームワークの話ではなくて、
「落選」しようとする話、というのがなかなか洒落ていました。

有美役宮沢りえさんは、はまり役。
他にはまりそうな人はちょっと思い当たりません。
そしてまた、やはり窪田正孝さんもいいんだなあ・・・。
こちらは他にも適役そうな人はいるけれど、それだと別の「谷村」になってしまいそうです。

事なかれ主義、そしてさほど押しが強くはない。
優しいのだかやる気がないのだか・・・
しかし、仕事は意外とそつがない。
この微妙な感じ・・・。

 

<WOWOW視聴にて>

「決戦は日曜日」

監督・脚本:坂下雄一郎

出演:窪田正孝、宮沢りえ、赤楚衛二、内田慈、音尾琢磨

 

悪戦苦闘度★★★★☆

満足度★★★★☆



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